2019年04月30日

さよなら平成・ようこそ令和・胸部X線読影道場ふたたび

別に改元は関係ありませんが、久しぶりに、胸部X線の読影をやっていこうかと思います。イヤ、まだまだ他にやることはあるのですが(笑)、胸部X線の読影「も」、ですかね。

本当にブログの更新が危ぶまれることがしばしばあるのと、とにもかくにもいろいろと貯まってきていて、整理しないと自分でもよくわからなくなってきた、ということがありまして、ちょいちょいこれから、挟まってくるかと思いますが、温かく見守って頂き…って、違〜〜う!

これからは参加型です。つまり、読者の皆々様に参加して頂きたい。

スライド40.JPG

このように胸部単純X線写真を供覧します。「読影所見」をコメント欄でお寄せください。コメントを書き込んで頂いても、すぐには反映されません。正解された方がある程度の数に達しましたら、コメントの反映〜模範解答の公開へ…という段取りで、やらせて頂こうと思います。

ともかくも、連休中ですので、こっそりと開始してみます〜。我と思わん方は是非コメントを(^o^)/~~

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:28 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年04月29日

臨床実習改革、手応えあり。学生さんの感想2

平成最後の記事は、学生の皆さんから頂いた感想、パート2です。今日も大学でいろいろ仕事をしてますが、ちょっとここには書けないことが多いので…笑

「外来で問診をさせて頂いて非常に新鮮で面白く学ぶことが多かったです。色々教えて頂いたのですが、どれも体系的に学習できるような教え方をして頂いたので非常にわかりやすく、学習しやすかったです。」

→こちらの意図するところが伝わっているようで、大変うれしい感想ですね。

「大変熱心にご指導いただき、とても勉強になりました。また、実際の外来業務体験の機会も多くとっていただき、現場での業務の流れや考え方を学ぶことができました。おかげで呼吸器への興味が強まり、さらに日々の学習におけるポイントが明確になり、モチベーションも向上しました。」

→呼吸器への興味が強まったのは、大変素晴らしいことですね!熱心に取り組んでくださっていました。

「全体的にボリュームが多く少し大変だと感じたが、その分1日に多くのことを学ぶことができ、レントゲンの読影や患者さんの診察などは確かにスキルアップできたのではないかと感じている。学んだ事を、今後のクリクラにも活かしていけたら、と考えている。」

→お互い大変ですが、スキルアップした実感を持ってもらえて、やった甲斐があるというものです。

「外来、入院患者さんの診察、レクチャー受講など、様々な経験ができ、学びの多い1週間でした。特に外来での問診は想像以上に難しく、様々な患者さんがいることが分かり、良い経験ができたと思います。」

→1日目に問診練習をするのですが、外来の問診は机上であーだこーだ言っているより数十倍はいい経験になりますね。

「長尾先生はとても懇切丁寧に教えて下さって感謝しかないです。こんなに付きっきりで指導していて自身の仕事がきちんと回っているのか心配になります。」

→正直回っていません。笑 呼吸器内科スタッフの先生方に大いに助けて頂いてます。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 14:45 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想

2019年04月28日

臨床実習改革、手応えあり。学生さんの感想1

学生の皆さんから頂いた感想を読ませて頂くと、苦労が報われる気がするものですが、ちょっとしんどいのも実際のところです。笑 もう少しやり方に工夫が必要です。たぶん。

「非常に有意義な実習でした。4日間で少し短く感じました。もっと長かったら嬉しかったです。X線の読影を多くできて勉強になりました。 」

「一週間ありがとうございました。一週間と短かったのですが、非常に有意義な時間を過ごせました。ありがとうございました。X線など、今までわからなかったものが少し分かるようになりました。外来も、とても印象に残っております。」

「丁寧にご指導いただいて、非常に勉強になりました。可能であれば、次年度以降は独立して2週間の期間を確保していただきたいです。」

「正直呼吸器は苦手だったんですが、病気も画像も勉強になりました。有意義な1週間でした。」

「とても有意義な時間を過ごすことができました。もっと長い間呼吸器をラウンドして、色々教えていただきたいと思いました。」

「非常に疲れた」

もちろん、社交辞令も多分にあるでしょうが、正直な感想もあります。笑 こちらとしても非常に疲れたので、もう少しやり方を考えつつ、微調整しつつ、進めていくことになるでしょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:32 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想

2019年04月27日

臨床実習改革、手応えあり。ショートレクチャー

新年度から、お昼の時間に、スタッフの先生方によるショートレクチャーを開始してもらっています。

短い研修期間の中で、スタッフの先生方と研修医の先生方が馴染んでもらう機会を多く設けたいということ。

スタッフの先生方の得意分野を研修医の先生や学生さんに見てもらいたい、ということ。

そして、アウトプットの機会を設けることで、スタッフの先生方の成長機会になれば、ということ。

もちろん、研修医の先生方や学生さんたちへの教育機会。

などなど、メリットは多々あるのではないかと期待しております。


新年度からこれまでに…

河島先生による、症例を使っての双方向性肺癌レクチャー。

56666872_2317270515002692_1405019467653578752_n.jpg

内田先生による、本とかガイドラインに載ってない癌の話。

IMG_20190411_130851.jpg

松尾先生のレクチャーの時は、学会参加のため残念ながら参加できず。松尾先生自らのレポートを待ちましょう。

そして週を換えて大岡先生による、肺炎と抗菌薬の話。

IMG_20190424_131047.jpg

そして行村先生は、COPDのみかたをレクチャー。

IMG_20190425_140134.jpg

昨日は、仲川先生に、びまん性肺疾患と間質性肺炎の身体所見などいろいろを教えてもらいました。

IMG_20190426_130011.jpg

これからも最強のレクチャーが続々登場予定です!

トップページへ

2019年04月26日

臨床実習改革、手応えあり。しかし大変(苦笑2

琵琶湖闘魂外来の手順は、以下のような感じです。

例えば外来に初診患者さんが来られます。当然、その患者さんは何の疾患かわからない状態から、学生さんと一緒に患者さんのお話を聞いて、ある程度鑑別診断をしぼり、必要な診察を一緒にさせて頂いて検査を出す。

患者さんが検査に行かれたあと、鑑別診断を考えて、検査結果の予想をします。実際やっていて、「自分、なかなかできるようになったなあ…」と思うのは、鑑別診断のところで一席、検査のところで一席、ちょっとした学生さんに役立つようなレクチャーに持っていくことができるようになった点かなーと思います。

学生さんは患者さんに相対している時点で頭がフル回転していて、感情も高まっていますから、ここでのレクチャーは頭に残りやすい(と期待します)。

て、結果が帰ってきて、さらにあーだこーだお話をします。ある程度診断がついて、じゃあ実際どんな薬を使うのか、どんな治療がいいのか、説明はどうするのか、といったところも話し合って色々意見を出し合ってもらいます。

教科書(病みえ…)に書いてあることや、これまでの知識と、実際の患者さんへの適用との差分を意識してもらい、これからどのようなことを意識して実習に臨むべきか、ということも考えてもらっています。

もちろんこの一週間はno blaming cultureでやっておりますので、気軽に意見を出してもらえる感じをまぁ目指している、ということです。実際はそうそうスースー意見が出るものではありませんが…。

トップページへ

2019年04月25日

臨床実習改革、手応えあり。しかし大変(苦笑1

新年度から臨床実習−クリニカルクラークシップの体制が変わりました。

これまで循環器内科・呼吸器内科合わせて2週間、その中で循環器内科の時間と呼吸器内科の時間が入り乱れて存在し、学生さんも右往左往しておられました(で、大層評判が悪かった)けれども、今年度から循環器内科1週間、呼吸器内科1週間で、完全に分けてやることになりました。

それによって、外来患者さんや入院患者さんの受け持ちを学生さんにやってもらうことが格段に容易になりまして、ようやく臨床実習らしくなって参りました。

これまでは折角受け持ってもらっても、循環器の時間には向こうに行かなくてはならず、受け持ちにならなかったのです…。

この新体制の目玉は、これまでにもありましたが、琵琶湖闘魂外来です。これまでは循環器との兼ね合いで週の後半に設定していたのですが、週の後半は初診患者さんが少なく、ほとんど学生さんに関わってもらうことがなかったのです。

しかしながら、まれに関わっていただいた初診患者さんにおいては大変多くの学びがあり(あったと私は思っているのですが)、是非これはもう少し患者さんの多い時に行うべきだと思っていました。

ようやく新年度からそれが週の前半にできるようになり、経験症例数が一気に増えました。特に今の時期は実習が始まって間もないため、ちょっとしたことでも深い学びになります。

患者さんにはお時間を頂き、大変ご面倒をおかけしながら、しかしながらこちらも真剣勝負で教えていますので、ある程度はご理解を頂けているかと思います。

やはり実際にやってみて、患者さんと接すると学生さんの真剣度が全く違うのには驚きました。ただの机上の理論を聞いているだけとは雲泥の差、目の色が変わるとはまさにこのことかと思います。集中力も断然違います。いいことずくめに思われるのですが…。

トップページへ

2019年04月24日

第59回日本呼吸器学会学術講演会見聞録6

その後同じミニシンポジウムで間質性肺炎とBALFというセッションを拝聴しましたが、事情があり(笑 中座せねばならなかったのが残念です。

そしてその後のランチョンセミナーでは「Clinical practice of idiopathic pulmonary fibrosis(IPF)」と題して近畿大学呼吸器・アレルギー内科 西山理先生のCurrent Treatment for IPF−Why When and To whom−という、何とも刺激的なタイトルのご講演と、それに引き続きHarold R.Collard先生の「Acute exacerbation of IPF」というご講演を拝聴しました。

これはランチョンであることからも、共催が日本B社であることからも明白なように、COIありまくりのものでしたが、やはり海外からのスピーカーは大変プレゼンがエレガントで明快、わかりやすいものだなあと感心しました。とにかく写真を撮れなかったのが残念でなりません。

その後は症例検討会を覗いてみました。一例目は地域医療機能推進機構星ヶ丘医療センター内科 中村孝人先生の司会によります「ニボルマブ投与に伴い急速な経過でびまん性すりガラス影、肺結節の増悪をきたした非小細胞肺癌の1例」。神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科の河内勇人先生のご発表でした。やはり「ですよーねー」という感じでした(笑。

もう一つの沖縄県立中部病院呼吸器内科喜舎場朝雄先生が司会、臨床ディスカッサーが福井大学病態制御医学講座内科学(3)早稲田優子先生という、すごく楽しそうな症例検討会は次の予定のため泣く泣く見送らざるを得ませんでした。これが心残りであります

土曜日はその後、楽しそうな症例検討会を見送って参加した会で旧交を温め、いろいろと思うところもあり、日曜日はいろいろと頼まれものもあったりしたので少しだけ会場に行って、滋賀に帰って参りました。ということで、ずいぶんかかりましたが、学会リポートを終わります…。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:57 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月23日

第59回日本呼吸器学会学術講演会見聞録5

このシンポジウムでは、最後に「呼吸調節神経機構−呼吸のリズム形成と化学調節の神経機構」というタイトルで、独立行政法人国立病院機構村山医療センター内科・臨床研究部電気生理学研究室の岡田泰昌先生によりますご講演を賜りましたが、呼吸のリズムを作っている細胞やリズムに関する神経の活動のお話で大変難しかったです。

それからミニシンポジウムで呼吸器感染症の臨床疫学というセッションを覗いてみました。宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科の生方智先生によります「流行時期における成人ヒトメタニューモウイルス関連肺炎の後ろ向き観察研究」、国立病院機構東京病院の武田啓太先生による「下気道検体でのAspergillus Section Nigriの細菌学的・臨床的特徴」も興味深いご発表でした。そして国立病院機構東京病院呼吸器センターの石井史先生によります「新ABPM診断基準でABPMとCPAの鑑別は可能か」というお話を傾聴しました。これはAMED主導にて策定されてきた新しい診断基準の検証をされていて、勉強になりました。

これまではRosenbergやISHAMの診断基準を用いておりましたけれども、それらは感度が低いなどの問題がありました。この新しい診断基準は、感度100%、特異度94%と、なかなかの成績であったようです。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:09 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月22日

第59回日本呼吸器学会学術講演会見聞録4

続きまして、健康医学協会東都クリニック呼吸器内科/東京医科大学呼吸器内科の山口佳寿博先生によります「細葉・肺胞レベル−古典的および新規の呼吸機能評価法(V/Q、DLco、DLNO)というお話を拝聴しました。

まず未だに多くの説?が唱えられている細葉について、いったい肺のどこの部分を細葉というのか。これまでに13種類の細葉が採用?提唱?されているそうです。

有名なMiller の二次小葉は、HRCT読影のときに出てくる「小葉間隔壁」で囲まれた、1−2cmの大きさの単位です。
Reidの小葉:径1mm大の細気管支に支配される領域
Loeshckeの細葉:終末細気管支に支配される領域
Aschoff の細葉:呼吸細気管支で支配される領域(Loeshcke の細葉の 1/2)
Miller の一次小葉:肺胞道で支配される領域

などなど。1988年に提唱されたH-B細葉も、移行細気管支以降の部分を細葉と採用するという考え方ですが、これがほぼAschoff の細葉と一致するもので、これが妥当ではないかという考えのご紹介がありました。

それからVA/Qの分布について古典的な不活性ガスを用いたMIGET法と2年前から普及してきたプロトンMRI法の比較を示していただきました。肺のガス交換単位はAschoffの細葉によって定義されるので、MIGET法で得られたVA/Qの分布はAschoffの細葉レベルの換気血流ミスマッチを反映するとされます。

それからDLco、拡散能について、拡散能は有効肺胞を肺胞膜プラス血漿と考える概念ですが、DLcoは肺胞膜異常に対する感受性が低く、最近欧州で導入されるようになったDLNO(肺胞膜異常に対する感受性が高い)の同時測定で、様々な肺疾患の病態把握ができる、というかなり細々した計算について教えていただきました。あまり普段考えることがないところのお話でしたので、頭から煙が出そうになりましたけれども、大変興味深く承りました。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:45 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月21日

ご愛読ありがとうございます!記事が3,000を超えました。

気づけば数日前に、こちらのブログ記事が3,000を超えておりました。

とはいっても、毎日更新するようになる前にはぽつぽつ更新でしたし、記事もしょうもない?ものも少なからずありますので、お役に立つ記事が3,000、というわけではありません。ですが、とりあえず一つの節目ですので、心の中でお祝いをしておきました。といいますか、3,000記事当日は自分でも気づかぬままに過ぎておりました…。昨日もなんだかんだで更新できておりませんし。

1,000、とか2,000の時は、もう少し感慨というか、盛り上がる気持ちがあったのですが、3,000になると、もはや通過点でございます。おかげさまでいろいろとありがたいお話を頂いておりますが、このブログ以外にやるべきこと(で、このブログに書けないこと)の割合が増えてきていて、なかなか皆様にご報告が出来ていないのも心苦しいことではあります…。

よろしければこれからも粛々と、ブログは更新して参りますので、ご覧いただければ幸いです。
大学では何の力もない私に出来ることは限られていますが、自分の担当の授業、臨床実習に革命を起こすべく「今やるべきこと」を続けて参ります。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:49 | Comment(0) | 日記

2019年04月19日

第59回日本呼吸器学会学術講演会見聞録3

もう少し、「次世代につなぐ呼吸機能と形態の連関」シンポジウムについて。

続きましては、公益社団財団法人神経研究所研究部睡眠学研究室の對木悟先生によります「覚醒中と睡眠中における上気道の機能と形態」というお話。

こちらも呼吸器畑のご出身ではない先生のお話で、新鮮に興味深く拝聴致しました。例えば上気道の構造として、嚥下をするためには柔らかく虚脱する性質を持っていて、筋肉で覆われていて収縮するという性質が重要である一方で、呼吸のためには、なるべく構造物は固く閉塞する要素が少ない方が良い、という相反する性質を持っている必要があって、それゆえの不都合が色々あるというお話は目から鱗でした。

また元横綱○○関の○○親方が重症のOSAで、CPAPを持って巡業に参加されていたという話も、生々しくて引き込まれました。

オトガイ舌筋(GG)の筋活動が上気道開存のキーになる、すなわち、オトガイ舌筋は舌の位置を保持するという役割があって、息を吸うときに活動するそうです。覚醒している時はオトガイ舌筋がアクティブにしっかり収縮しているために気道が閉塞せず、睡眠中はそれが弛緩してしまって閉塞すると。

ですから治療は、下顎を前方に動かすようなマウスピースを使うわけです。そういうマウスピースを使うと、オトガイ舌筋自体の活動も(負担・仕事量が減るので)減るわけですね。

顎の大きさ、これを箱に例えて、舌の大きさはお肉に例えて、この箱と肉とのバランスが悪いとOSAになるという喩えもわかりやすかったです。舌、つまり肉が大きい人はOSAになりやすいですし、逆に顎が小さい(小顎症の)人もOSAになりやすい、とのことでした。非常に明快なお話で大変興味深く拝聴いたしました。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:02 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月18日

第59回日本呼吸器学会学術講演会見聞録2

「次世代につなぐ呼吸機能と形態の連関」というシンポジウムも、大変興味深く拝聴しました。

まず、京都大学呼吸器内科学 平井豊博先生によります「画像による気道形態の評価と呼吸機能の解釈」。これはこれまで、平井先生や当院の中野先生をはじめとする京都大学一派?の先生方による、これまでのお仕事紹介が主なところで、さすが私もによくよく存じ上げていた内容が多かったです。

続く公立学校共済組合関東中央病院病理科から現在複十字病院に遷られた岡輝明先生による「COPD における気道形態の評価と呼吸機能の関連―形態学が果たすべき役割は?ー」というタイトルのお話、大変興味深く拝聴いたしました。

やはり病理の先生の見方は、我々臨床家とは違う方向から見られているのだなあと思う場面が多く、興味深かったです。COPDにおいて気道が閉塞するメカニズムとして、これまで私は肺胞内の弾性線維という支持組織がなくなることによる、気道の虚脱を主なメカニズムとして考えておりましたが、肺の過膨張による気道の圧迫であるとか肺の過膨張によって細気管支が長軸方向に進展することによるふん伸ばされてその分内腔が狭くなるという考え方も、いわれてみれば確かに論理的ですね。

小葉中心性気腫、といっても、必ずしも小葉のどまんなかではなく、少しズレている、というお話であったり、一口に「弾性線維」といっても、肺の立体構造という3次元の文脈で考えるのと、2次元で考えるのとでは話がずいぶん違う、というお話であったり、COPDは肺の老化、といわれるが、病理組織的に「気腫」は老人肺とは違うものである、というお話であったり、興味の尽きないお話が続いて、思わずのめり込んで拝聴しました。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:18 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月17日

第59回日本呼吸器学会学術講演会見聞録1

というわけで、今回は会場に長々といましたので、色々と興味深い講演・セミナーなどを拝聴することができました。いくつか備忘のためメモをさらっておきたいと思います。

まずは「血痰・喀血の治療戦略と血管内治療のUp to Date」と題しまして二つの演題をまとめて拝聴。一つは「呼吸器内科医の考える喀血診療のベストプラクティスとは〜呼吸器外科医・IVR医や他施設との連携を含めて〜」というタイトルで、国立病院機構東京病院呼吸器センターの川島正裕先生のお話でした。喀血診療の基本的なお話が中心でしたが、喀血の量なのですがやはり少量・中等量・大量の明確な定義というのはなかなかない、とのことで少しホッとしました。ハリソン第4版によると200mLから600mL以上のものを大量というとなっていますが、いささか幅がありますね。ACR 2014年のガイドラインによると、24時間以内に30mLまでを少量、300mLまでを中等量、そして300mL以上を大量とする、とのことでした。再喀血の頻度は重症度によらず20%程度で、当初少量でも油断はできず再喀血時には大量になることも少なくない、とのことで注意が必要です。

喀血時にはやはりCTアンギオグラフィーをやって、フィーダーの確認が必要という方針を再確認しました。BAEに関して、アスペルギルスや非結核性抗酸菌症が原因疾患であるとやはり原疾患の制御が難しいからか、30%が再喀血するそうです。原疾患を投薬等で制御できれば、再喀血のリスクは減るようです。

それに対して、特発性の出血というのは少なからずあるのですが、微細な気管支動脈の破綻であるとかそういった機序であるようで、そちらの方は制御が良好とのことです。金属コイルによる喀血制御率は2、3年のうちは80%ほどあるようです。

続いて、東海大学専門診療学系画像診断学/付属八王子病院画像診断科の松本知博先生によります「難治性血痰・喀血に対する血管塞栓術―適応と実際―」というお話を承りました。

我々の施設でも通常BAEをやるのは大量・緊急的な場面が多いわけですが、松田先生のご施設では少量・待機的なBAEをされていて、うまくいっている症例を蓄積されているというお話でした。

これはランチョンセミナーでしたので、後半は電気離脱式の(スポンサーに関わる)コイルに絡めた(コイルだけに)お話でした。自分ではBAEをやりませんが、色々なデバイスがあって凄いなあとただただ感心していました。最後はしょうもない感想ですみません…。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:45 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月16日

『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』を読んで

今回の出張では、東京都立両国高等学校・附属中学校主幹教諭の山本崇雄先生による『なぜ「教えない」授業が学力を伸ばすのか』という本を拝読しました。

非常に耳の痛いことがたくさん書いてあって、読み進めるのにかなり時間を要しましたが、読了した今となってはこれからやっていくべきことが見えてきたように思います。

クラス単位での運営が出来、年単位で子供たちの観察が出来る中学生、高校生と、100人単位で、数コマの授業しか接点がない、という大学生とでは事情が異なりますが、それでも出来ることはあるはず、という観点で読んでいきました。

山本先生も私同様、以前は「教えることに自信があった」、でも、子供たちの自立を促すために、あえて「教えない」ことに舵を切った、といいます。「教えるのが好きだから教える」というのは、教師側の自己満足に過ぎない、と。私も教えることに関しては自信があるわけですが、今の医学生に身につけてもらわないといけないことは、「自分で学び続ける力」です。

そのために山本先生はテストも工夫されています。具体的なことは書かれていませんでしたが、予めテスト範囲を示すことと、授業でやったことを理解していないと解けない問題を出す、ということは、よく練ったテスト問題を毎回作るということです。

これは、過去問を蒐集する試験対策委員と問題を回収する教員との不毛な争い、とは次元の違う、レベルの高い話になります。私は既に過去問を公開してそれが解けるように課題を与える感じにしておりますが、テスト問題の質を上げる(と周知する)ことで、勉強を促す効果はありそうです。

「他人に教える」「『問い』を考える」ことは大変大きな学びになります。グループワークなどに中で、そういう活動が出来るよう導ければ、勉強のコツがわかってきて、勉強が楽しくなるかもしれません。

失敗を許し何度でも挑戦させることは、自立を促すことになります。失敗を恐れていては自立できませんから、授業中「Enjoy making mistakes」というルールを徹底して、どんどん間違えてもらいます。以前適々斎塾で習った「No blaming culture」と同じ精神だと思います。

まだまだいろいろと勉強になりましたが、この本で学んだことは、早速昨日授業スライドを改善させ、反映しております。3年生の皆さんは、秋を楽しみにしましょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:30 | Comment(0) | 日記

2019年04月15日

レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室[ベストティーチャーに教わる全29章]改訂第3版

学会場で先行発売でしたが、いよいよ『レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室[ベストティーチャーに教わる全29章]改訂第3版』が上梓されます。

今回、割と間際に、どうしても加筆・訂正したいところが出てきまして、かなり日本医事新報社様に無理を申しましたが、なんとか呼吸器学会に間に合わせて頂きました。いつも無理を聞いていただき、本当に大感謝です。

昨日の写真で、並べてみてお分かりのように、だいぶページが増えました。それでいてお値段は100円アップに止めていただき、こちらもまた大変な企業努力の賜物と感謝いたします。以前とある方に「ウチではその値段では無理です!」といわれました…。

章も27→29章と二つ増えましたし、主なガイドラインの改訂も盛り込みましたし、例えば COPD 患者さんで何で気管が短く見えるかといったうんちく話も細々と追加しております。電子版も附属するようになり、これが研修医の先生にはどえらく好評です。

医学生さん、研修医の皆さん、非専門医の先生方、呼吸器が苦手な先生方、コメディカルスタッフの皆さん、若手指導にお悩みの先生方、きっと皆さまのお役にたてると思います。是非ご活用ください。

表紙.jpg

トップページへ

posted by 長尾大志 at 15:55 | Comment(0) | 活動報告

2019年04月14日

学会最終日

というわけで、近年になく、学会の最初から最終日までおりました。今年はよく勉強しました。しかし、相変わらず学会の方針が「撮影禁止」ですので、写真は何もございません。

IMG_20190409_171457.jpg

こおんなに分厚くなったのですよ〜、という写真。

昨日は昨日で、とある集まりがあり、懐かしい人たちと再会したりしました。が、詳細は伏せておきます。

IMG_20190413_162705.jpg

下の写真は、別の日のディナーです。

IMG_20190412_181923.jpg

トップページへ

posted by 長尾大志 at 22:26 | Comment(0) | 日記

2019年04月13日

『Lesson! 胸部画像の読みかた』が出版されました!!

昨日の記事の写真の中に、「間違い」が何カ所かありますが、気づかれた方はおられるでしょうか…?

特に正解されたからといって何もありませんが、お暇でしたら挑戦してみて下さい。

さて、こちらでの紹介が遅くなりましたが、先日沖縄県立中部病院呼吸器内科の喜舎場 朝雄先生の編集によります『Lesson! 胸部画像の読みかた』が出版されました!!

hyousi.jpg

これはこれまでの「画像診断本」とは切り口を変えた、新感覚の本で、『レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室 第2版』のような既存の?画像診断本を読み終えた方が、さらなる高みを目指すのに適した本ではないかと思います。

私は<肺血管や骨、しっかり追えていますか?>という項を担当させて頂いておりますが、書きながら大変勉強になりました。

無気肺って、高吸収のところを見るもの、だと思っている方は、是非今日、明日、学会場で手にとっ(て、買っ)て頂ければ、とっても勉強になると思います。新刊コーナーにこんな感じでおいてありますよ〜。

IMG_20190412_151625.jpg

トップページへ

posted by 長尾大志 at 09:18 | Comment(0) | 活動報告

2019年04月12日

第59回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「内視鏡1」セッション、無事に終了いたしました〜

今朝、第59回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「内視鏡1」セッションがございまして、無事に?終了いたしました。

時間厳守、を1st priorityにしておりましたので、ぶつ切りになったことがあったようななかったような…その節は大変失礼致しました。

同じく座長の労をお執り頂きました、防衛医科大学校内科学講座2 小林英夫先生、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げますとともに、御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

IMG_20190412_152235.jpg

学会風景…?笑

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:50 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月11日

第59回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「内視鏡1」セッション予習5

■ びまん性肺疾患における気管支肺胞洗浄後の急性増悪の予後因子の検討

【概要】

増悪群では非増悪群に比し、検査前の体温やCRPが多核、安静時・労作時低酸素が多かった。画像所見では、浸潤影、すりガラス影の範囲が広い症例が増悪を起こしていた。また、BAL細胞濃度(数?)、好酸球数の高値も増悪と関連していた。

【所感】

このように増悪を予想する因子を抽出できれば、より検査のリスクを低減させられると思います。



■ ICUで実施した緊急BALとその有用性について

【概要】

BALは20例全例で安全に施行でき、BALを施行することで、起炎菌の検索、ステロイド過量の反応性推測に役立った。

【所感】

急性呼吸不全やARDS症例などにおいてBALを施行することは有用ですが、様々な事情から「出来ない」という声をよく伺います。こうした報告を積み重ねることで、有用性をお伝えしていきましょう。


ということで今日は駆け足で、東京に向かいます。明日のポスターセッションに参加される皆さま、よろしくお願い申し上げます。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 14:00 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2019年04月10日

第59回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「内視鏡1」セッション予習4

■ 気管支鏡検査を受ける患者の抑うつ不安の状態と薬物介入の効果

【目的】

肺がんの疑いで気管支鏡検査を受ける患者の抑うつ・不安を評価し、抗うつ薬(ミルタザピン)投与による心理状態とQOLの変化を明らかにする。

【対象および方法】

気管支鏡検査入院をした患者を対象に検査入院時と初回外来時に質問票による調査を行った。抑うつ・不安は日本語版HADS、QOLはFACT-Lにて評価した。HADS得点11点以上で希望者に抗うつ薬を処方した。

【結果】

検査時46.5%に抑うつ・不安が見られ、この群のHADS得点には咳や胸の締め付け感が影響していた。抗うつ薬服用群は非服用群に比べ抑うつ得点より不安得点が高かった。QOLの総合得点は服用群が被服用群より低い傾向が見られた。初回外来でのHADS得点変化量及び QOL 変化量は服用群の改善が大きかったが、服用の有無による群間の有意な差は見られなかった。

【考察】

気管支鏡検査の身体侵襲の大きさが不安を高めたと考えられる。薬物服用により抑うつ・不安得点の改善が見られたため、検査入院時の心理状態の評価と早期介入によりQOL維持の可能性がある。

所感

気管支鏡前の抑うつや不安に対してミルタザピン投与で改善した、という報告。1回こっきり(のことが多い)検査前の不安に対して、投薬が必要なものか、議論が必要かもしれません。



■ 末梢孤立性病変に対するガイドシース併用気管支腔内超音波断層方法(EBUS-GS)後の感染症のリスク因子の検討

【背景】

気管支鏡検査後の感染症は重大な合併症であり、その適切な予防は重要な課題である。

【目的と方法】

当院で腫瘍性病変の診断目的でEBUS-GS法を行い、検査後に感染症を起こした症例のリスク因子を明らかにする目的で、多変量解析を行った。

【結果】

年齢中央値72歳、性別、年齢、検査前白血球、CRP値は検査後感染に有意な関連はなかった。一方、CT所見での内部壊死を疑う低吸収域、腫瘍内空洞、気管支鏡下での病変責任気管支の狭窄所見が感染群に有意に多い所見として抽出された。また全症例のうち102例で予防的抗菌薬投与がなされており、傾向スコアを用いたマッチング法では明らかな予防的抗菌薬投与の効果は認められなかった。

【結語】

感染のリスク因子として腫瘍内部壊死、腫瘍内空洞や責任気管支狭窄などが抽出されたが、検査後の抗菌薬投与のみでは感染を予防できない可能性もあり別の対策が必要である。

所感

BF後の抗菌薬投与は効果がない、というのは以前に研究結果がありましたが、感染リスク因子を抽出されたのが新しいですね。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:45 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録