2018年09月30日

山本彩の卒業に思う

今日は1日、家に缶詰でしたので、昨日購入した文献精読が捗りました。

アイドル活動としてのさや姉卒業にはまた思うところがありますが、それは本題ではありませんので、若手育成という面でさや姉の来し方を考えてみたいと思います。

結成当初から人一倍のパフォーマンスと努力を見せていたさや姉は、当然のごとくにエース、センター、そしてキャプテンを任されていた(そしてそれをこなしていた)のですが、若手を「指導する」ということに関しては、直接教えて〜ということへの苦手意識のようなものがあったようです。

それで彼女がどうしたかというと、さらにさらにストイックに努力して、とにかく先頭を突っ走って、背中を見せたわけです。

そんな彼女を目標に、お手本に(手本に出来なかった人も、まあいるようですが…)若手たちが、もちろん、持って生まれた才能(歌やダンス…)の差はあるものの、着々と頑張って力をつけているのが現状でしょう。

そんな若手の姿を見て、悩みに悩んでいたさや姉が卒業を決意した。「自分がいなくても、この子たちは育っていく」という確証と、「もはや自分がいることで、この子たちの成長を阻害してしまう」という思いがわき上がってきての結果になります。

自分がいること、それは、選抜枠であったり、外仕事であったりもそうですし、自分に頼られてくる、とか、公演でもライブでも、自分がどうしても中心になる、という役割的なところもあるわけです。


翻って、学生さんの医学教育で大変優れた先生方のやり方を垣間見ていると、もはや「適切なお題をやらせる>>>>>その場で教える」なんですね。

そこで大事なことが「適切なお題」。そこの設定がうまくいきさえすれば、学生さんや若手の先生は勝手に伸びるもの。そして適切なお題、には、適切な立場、も含まれるわけです。立場が人を創る、と申しますが、ステージが進む、立場が変わると役割も変わり、降ってくるタスク、課題も変わってくるわけで、そのことが人を成長させるのです。

最後の最後まで、卒業に際しても、NMB48のことを考えて若手にお題を与えたさや姉のメッセージが、今後の自分のあり方、考え方のヒントになりました。

若手の皆さんには、何とかさや姉卒業後のビッグウエーブに食らいついて頂きたいと念願するものであります。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:52 | Comment(0) | 日記

2018年09月29日

ずっと「その場にいること」が、後輩のためにならないこともある…?

今日は、山本彩卒業に関する重要文献が3冊同時に発売されたので、早速購入し精読しております。

IMG_20180929_203152.jpg

インタビューの中で、「私がNMB48にずっといることで、後輩の成長が阻害されるのではないかと思った」というくだりがあるのですが、これは重い。

グループとして、売り上げやパフォーマンスや、その他諸々、さや姉がいる方が絶対に「いい」のは間違いないのですが、後輩の成長、ということを考えたときに、その立場を譲る、ということは間違いなく効果的だと思います。

教育ということを育成という面から考えるときに、適切なタイミングで適切な立場を与える、ということはたいへん効果的ではないか、と最近特に実感することが多いので、いろいろと深く考えさせられております。もう少し読み進めてみます。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 22:32 | Comment(0) | 日記

2018年09月28日

人工呼吸管理(非侵襲的人工呼吸,NPPV を含む)4

■ 合併症、初期設定で注意すべき点

・初期設定

人工呼吸器を使う目的が、呼吸停止を補う(呼吸をさせること自体な)のか、低酸素血症の是正なのか、高二酸化炭素血症の是正なのかによって、設定は少し異なってきます。

いずれにしても先に挙げた合併症を避けるために基本的な考え方として
  • プラトー圧・最高気道内圧は30cmH2Oより低くする

  • FIO2はなるべく早く下げる

  • 血圧が下がりすぎないよう気道内圧の調整を行う

ことを意識します。

呼吸をさせること自体が目的であれば、正常な呼吸が設定の参考になります。1回換気量は6〜8mL/kg、呼吸回数が12〜15回程度、FIO2は状況によりますけれども21%からSpO2を見ながら調節、ということになります。PEEPは4cmH2O程度かけることになると思います。

低酸素血症の是正が目的であれば、通常はARDSとか重症肺炎とか間質性肺炎とか、あるいは肺水腫などが対象となると思われますが、その場合従圧式の換気であまり高い圧がかからないようにする、ということを考えます。

1回換気量6mL/kg、これは予想体重あたりで計算します。お腹に脂肪がついていても肺活量には関係しませんから。

従圧式では1回換気量を直接設定できませんから、吸気圧と吸気時間を設定します。プラトー圧が30cmH2Oを超えないように設定し、吸気時間はI:E比が1:2程度(例えば吸気が1秒呼気2秒だと、呼吸回数が20回になります)、そんな感じで吸気圧と吸気時間を決めると自動的に1回換気量が決まってきます。

で、設定の結果、モニターを確認して1回換気量が6mL/kgになるよう調節します。PEEP は、導入当初は低酸素の是正のために高めに設定することが多いでしょう。10~12cmH2Oあたりでしょうか。これもSpO2を見ながら調整ですね。20cmH2Oくらいまではデータがあり、許容されるかと思います。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 15:54 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月27日

人工呼吸管理(非侵襲的人工呼吸,NPPV を含む)3

■ 合併症、初期設定で注意すべき点

・合併症

血圧低下:陽圧換気をすれば、その分胸腔内圧が上昇し、静脈灌流が減少する結果、心拍出量の減少と血圧低下が生じます。合併症といってもほぼ必発であり、「起きてはいけないこと」ではありません。

痰による閉塞:咳反射などが低下し気道クリアランスが悪化します。適切な加温加湿と必要に応じて吸痰で対応します。

片側挿管:挿管チューブ先端が入りすぎると(主に右肺に)、片側肺しか換気できなくなります。入りすぎないよう確認し、門歯から先端まで何cmの位置かを確認しておきます。

圧損傷:高い気道内圧は肺胞の過伸展によって気胸や縦隔気腫を引き起こすと共に、肺胞損傷の原因になります。予防のためには、PCVの際にプラトー圧で30cmH2Oを超えないように設定します。

酸素中毒:高いFIO2は酸素中毒、肺胞損傷の原因となるため、なるべく早く下げるのが望ましいです。1つの目安として、人工呼吸開始24時間以内にFIO2を60%より下げる、ということがいわれています。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:03 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月26日

人工呼吸管理(非侵襲的人工呼吸,NPPV を含む)2

A 人工呼吸器の呼吸に加えて、自発呼吸を自然にさせるモード

SIMV(synchronized intermittent mandatory ventilation:同期式間欠的強制換気)+PSV(pressure support ventilation:圧支持換気)、PCV+PSV、VCV+PSVなど

人工呼吸器による、吸気量や圧が定まった、キッチリとした呼吸に加えて、本人の自発呼吸(通常弱々しい)が入ってくるモードです。

フルに人工呼吸器が呼吸するモードで設定する項目に加えて、弱々しい自発呼吸をサポートする(お手伝いする)プレッシャーサポート圧を設定する必要があります。


B 自発呼吸(+サポート)のみのモード

CPAP(continuous positive airway pressure:持続気道陽圧)+PSVなど

人工呼吸器のよるキッチリした呼吸がなく、自発呼吸(+お手伝い)のみで換気をまかなうモード。しっかり自発が出ているときのモードです。

人工呼吸器による呼吸のための設定は不要で、CPAP圧とPSV圧のみ設定が必要です。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:38 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月25日

人工呼吸管理(非侵襲的人工呼吸,NPPV を含む)

人工呼吸の設定

*従量式・従圧式

従量式(volume-controlled ventilation:VCV)|決まった量を決まった回数、必ず送り込むモード

従圧式(pressure-controlled ventilation:PCV)|決まった圧を決まった時間、必ず送り込むモード

VCVでは換気量がきちんと決まるが、気道内圧が上がりすぎるデメリットがあります。
PCVでは圧の管理はきちんとできるが、換気量が保証されません。


@ フルに人工呼吸器が呼吸をするモード

A/C(assist/control:補助/調節呼吸)、CMV(continuous mandatory ventilation:持続強制換気)、PCV、VCVなど

設定するのは換気量、FIO2、PEEP

換気量(分時換気量)は1回換気量×呼吸回数(VCV)、またはプラトー圧と吸気時間、I:E比で決まります。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:13 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月24日

予定チラシができました

この秋の活動、予定チラシがいくつかできて参りました。

10月20日(土)、15:00〜19:00
近江八幡市立総合医療センター よしぶえホールにて

ただいま、肺炎診断中!セミナー

もうね、講師陣が豪華すぎて。
ただいま診断中!ファミリーが滋賀、ここ滋賀に大集結です。

坂本壮先生(救急外来 ただいま診断中!)
伊東直哉先生(感染症内科 ただいま診断中!)
森川暢先生(総合内科 ただいま診断中!)
ですぜ。ありがたやの極みでございます。

参加方法など、詳しくはこちら↓↓↓

スライド1.JPG

スライド2.JPG


翌週、10月27日(土)、13時〜には、滋賀医科大学講義室Aにて、
百武威先生による、炎の膿胸+Generalセミナー!!(長尾は登壇しません)

ちらし最新.jpg


そしてそして、12月9日(日)、9:30〜15:30には、ニプロiMEPホールにて
第16回 滋賀県呼吸療法セミナー 

こちらも豪華講師陣です!!

参加方法など、詳しくはこちら↓↓↓

スライド1.JPG

スライド2.JPG

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:45 | Comment(0) | 活動報告

2018年09月23日

糸魚川総合病院さんで、教育回診とレクチャー少々

昨日はそういうわけで、糸魚川総合病院さんにお邪魔しました。昨日はよく考えてみると三連休の初日で、早めに切符を買いに行ったのですが、まさかのサンダーバード満席。

IMG_20180922_105927.jpg

急遽しらさぎに経路変更し、なんとかスケジュール通りに到着できました。米原で時間が余ったため、念願の?湖東名物サラダパンを。

IMG_20180922_141435.jpg

なんやかんやできっかり糸魚川に到着。日本海がきれいでした〜。

IMG_20180922_144604.jpg

さて肝腎の教育回診+レクチャーですが、前半はコモンディジーズのプレゼンを渡邊(字合ってます?)先生にして頂き、ディスカッション〜回診、の流れでした。そして休憩を挟んで、レクチャーでしたが、呼吸器専門医がおられないということで、「COPDと喘息とACOについて、1時間で要点を語ってみる」という感じでお話〜胸部X線写真の見かた、基礎の次編、みたいな感じでやらせて頂きました。

IMG_20180922_182907.jpg

問いかけにしっかり答えが返ってきて、とってもやりやすかったですし、最後のクイズセッションでは白熱しました。結果はやはりお兄さんお姉さん方が強かった、というところでしょうか。

IMG_20180922_213957.jpg

呼吸器内科医を目指している若者が複数おられて、大変心強かったですね〜。あちらも非常に呼吸器内科医が少ない、とのことでした。私にできることは何でもお手伝いしたいところです。

IMG_20180922_191927.jpg

海の幸、お米の美味しさはいうまでもなく、糸魚川再訪を誓うのでした。

お招き頂いた山岸先生、磯矢先生、お世話になりました石坂様、それに参加されていた先生方、学生さん、どうもありがとうございました。また伺える日を楽しみにしております。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 21:42 | Comment(0) | 活動報告

2018年09月22日

糸魚川総合病院さんにお邪魔してきました。

今日は、糸魚川総合病院さんで、いろいろおてつだい。先程まで盛り上がっておりましたので、明日振り返ります。またよんでいただけるといいなあ。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:55 | Comment(0) | 活動報告

2018年09月21日

喀痰の病理学的検査の適応と意味

喀痰検査は侵襲も少なく、医療費も安いので、手軽にくりかえし施行できるのが利点です。肺癌が疑われる場合には喀痰細胞診を行うと、肺癌の診断につながることがあります。

ただ、昨今では、組織型に加えて遺伝子変異や転座なども調べる必要があるため、喀痰細胞診だけで事足りることはありません。気管支鏡やCTガイド下針生検、胸腔鏡などによる生検が必要です。

それでも、肺癌が積極的に疑われるような状況で、喀痰が容易に得られるような症例であれば、積極的に喀痰細胞診を行うべきでしょう。具体的には以下のような場合です。

  • 喫煙者で、咳や痰が長引く場合

  • 血痰が続く場合

  • 無気肺を認める場合(続けて気管支鏡も必要ですが…)


上記の生検は専門施設で専門医によって行われることが多く、非専門医のところでは喀痰細胞診陽性であれば呼吸器専門医に紹介、となることが多いと思います。

通常1回の提出では感度が低いので、3日分痰をためて提出します。その際、喀出した痰をそのままにしておくと傷んで検査の役に立たなくなるので、YM液などの固定液の入った容器に痰を喀出してためていきます。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:41 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月20日

喀痰の細菌学的検査の適応と意味2・Geckler分類

肉眼的分類であるMiller & Jonesの分類に対して、顕微鏡で見たときの細胞成分で喀痰を分類したものがGecklerの分類です。

100倍で見たときに、1視野あたり白血球(病変部由来と考えられる)と扁平上皮(口腔内由来と考えられる)の数がどれだけあるか、というもので、白血球が多くて扁平上皮が少ないものを細菌検査に適した検体、とします。

Geckler分類(100倍で1視野あたりの細胞数)
グループ1:白血球数<10、扁平上皮>25
グループ2:白血球数10〜25、扁平上皮>25
グループ3:白血球数>25、扁平上皮>25
グループ4:白血球数>25、扁平上皮10〜25
グループ5:白血球数>25、扁平上皮<10
グループ6:白血球数<25、扁平上皮<25

グループ1〜3は扁平上皮が多い=唾液成分が多いものと思われるため、検査には適していません。グループ4と5、すなわち扁平上皮が25個より少なくて白血球数が25個より多いものを良い検体としています。

グループ6は扁平上皮が少なく唾液成分は少ないものの、白血球も多くないため、喀痰では病変部から得られたものではない可能性がありますが、気管支鏡や穿刺によって患部から直接得られた検体であれば、検査に値するとされています。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:36 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月19日

喀痰の細菌学的検査の適応と意味1・Miller & Jonesの分類

気道感染症を疑う症例では、できる限り喀痰の細菌学的検査を行い、正しく抗菌薬の選択をしたいところです。喀痰が炎症の現場から出てきているかどうかを判断するのには、痰の性状や痰に含まれる細胞を見て判断します。

採った痰の性状を肉眼で確認して、膿性、あるいは色の濃い、粘調度の高い部分が多ければ多いほど、おそらく「現場からの痰」であると考えます。そんな肉眼的な見え方で分類をしたものがMiller & Jonesの分類です。

Miller & Jonesの分類
M1:膿を含まない粘液痰
M2:粘液痰に少量の膿が含まれるもの
P1:全体の1/3以下が膿性
P2:全体の1/3〜2/3が膿性
P3:全体の2/3以上が膿性

M1やM2の検体というのは、見た感じほとんど膿成分が含まれていないので、(おそらく唾液成分が多いということで)細菌検査には適しておらず、P1以上の痰を用いるべきとされています。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:27 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月18日

教育は人の為ならず??

情けは人の為ならず、ってよく言いますよね。

あれは、他人に情けをかけることは、それは巡り巡って自分のためになる、みたいな意味ですけれども、同じようなことが教育においても言えるわけです。教育するということは、一見自分がその相手に対して一方的に何か、教育的なものを与えていると受け取られがちですが、決してそうではありません。

一つには、教育するためにはこちらがしっかりとその事柄について理解していなければなりません。教育するために勉強する。知識を習得する。目的がはっきりしていることで勉強のモチベーションになるわけです。特に目的もなく勉強するのと、お話しないといけないという意識で勉強するのとでは、身に付く付き方も全く違います。

それと、教育をする、特に話をしていると、話をしながら、自分の中で学んできた事柄が有機的に結びついてくる感覚、これを腹に落ちるというのでしょうか。とにかく話していることを自分の耳で聞くことで、深く理解できる瞬間が訪れたりします。長く教えておられる方であればおわかりいただけるかと思いますが、いかがでしょうか。

また教えられる側の方とのやりとり、例えば質問を受けるとか、そういう中で、自分の理解が不足していたことが明らかになったりします。だいたい、そういうところほど皆さんやっぱり分かりづらいので何度も質問されたりしがちです。そういったことを、また調べることによって、自分の理解が深まっていく、ということも経験されます。

昔から言うように、教えることは学びである、To teach is to learnということになるわけです。これも自分のためになることです。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 22:54 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ

2018年09月17日

怖い先生・笑顔の先生/怖い先輩・笑顔の先輩

怖い先生・笑顔の先生/怖い先輩・笑顔の先輩、どちらに話しかけたいと思いますか?どちらに質問しようと思いますか?

学生さんや若手スタッフからの質問に答えることは、余計な仕事でしょうか?うっとうしい用事でしょうか?できれば避けたい作業なのでしょうか?

教育するという立場に立っている方であれば、学生さんや若い人から質問があるということは当然歓迎すべきことではないかと思います。学びの現場において、昨今双方向性ということが重視されています。双方向というのはもちろん、いわゆるアクティブラーニングのように、カリキュラムとして提供するものもありますが、質問そのものが、双方向性の発露というべき、大変喜ばしい出来事ですよね。だって、こちらからの一方通行でなくて、教わる側から出てくるわけですから。

であるならば、出来るだけ質問しやすい雰囲気づくり、というのも教育の現場においては大事なことになるのではないでしょうか。

上の質問、話しかける立場になってみれば、どちらに話しかけたいかは一目瞭然。でも、質問される立場にしてみると、いつもいつも上機嫌で、というわけには参りません。いつもいつも忙しいし、いろんな余計な?用事を言いつけられて、あたふたしている時もあるかもしれませんし、約束の時間に遅れそうで大慌てで廊下を歩いている時もあるかもしれません。

そんな時に知らず知らず、怖〜い顔になっていないでしょうか?せっかく(双方向の発露としての)質問をしたいなー、と若い人が思っているところに、怖い顔の先生が、先輩がやってきたら、やっぱりやめとこうかな…って、なってしまうかもしれませんね。

「患者さんに笑顔で」と指導するのであれば、是非自分でも、いつも笑顔で過ごすようにしたいものですね。と言いつつ、私もなかなかそれが難しくて、いつも反省するばかりです…。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:41 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ

2018年09月16日

自己紹介

私は2005年に滋賀医科大学呼吸器内科に赴任しました。それまでは、大学院であったり留学であったり、研究と臨床を主にやっていたのですが、滋賀医科大学に来てからはスタッフの数も少なく、教育にかなりの時間を割くことになりました。

具体的には学生の講義、それからベッドサイドでの臨床実習、そして研修医の指導、それから看護学生の講義や新卒看護師の研修、さらに薬剤師や理学療法士の勉強会など、当時院内に呼吸器内科医がほとんどいなかったことから、そういった教育の要請が山ほど降りかかってくることになったのです。

少ない人数でやりくりするため、もともとちょっと教育に向いてるかな?と思っていた私が主に教育を担当するようになり、ますます教育の仕事が集中した結果、少しずつ教え方のコツが分かるようになってきて、さらに担当が増え…と言う流れ(悪循環?)になってきたわけです。

そんな中、自分の教え方がわかりやすい、と学生さんに言ってもらえるようになり、しゃべっているだけでは、その場限りになってしまうし、もったいないなあ、何か形になれば、何度でも繰り返し使ってもらえるし、同じことを繰り返ししゃべる必要もなくなるかも、できればマニュアルみたいになるといいなあ、なんて思ってブログを始めてみました。

毎日更新するようになって「やさしイイ呼吸器教室」はたくさんの人にご覧いただくようになり、そこから書籍の出版など、色々なお話をいただけるようになった次第です。

私が滋賀医大に来た当時は、同じことを学生さんや研修医の先生達に、毎年毎年、いや毎月毎月、回ってくるグループごとに同じことを繰り返し繰り返し言ったりやってみせたりしたものです。これはかなりしんどいことです。体力的にしんどいということもそうですし、同じことの繰り返しというのは精神的にもしんどくなりますね。

それが、マニュアルを作ったり皆に一斉に教えたりすることで、そしてブログを書くことで、同じことを言う回数を劇的に減らすことができました。ということは楽になったということです。教育すると、楽になっていくのです。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:59 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ

2018年09月15日

連載記事のお仕事

ありがたいことに、いろいろとお仕事を頂いている日々です。いろいろなことを経験させていただくと、食わず嫌い?で不得意だと思っていたものが、そうでもなくなったり、ということも経験させて頂き、日々、「何事も全力でやれば好きになる」を実感しているところでありますが…

…が、なかなか不得意から抜け出せないものに、『連載』があったりします。

ブログ書いてるんだから毎日書くのは得意じゃないの?とよく思われる?のですが、連載って月1回とか、そういう単位になって、ちょっと間延びして、で、ブログよりはしっかりしたものを書かなきゃってなって、で、ブログと違うことを書かなきゃってなって、結構しんどいのです。

つまり、ペースがブログと違う+ブログに加えての仕事量となり単純に時間が足りない、って感じでしょうか。

それと、常に頭の中の一定のスペースにそのお仕事のことが占められている状態、というのがツライ。これはわかっていただける方が少ないかもしれませんが…。

私は元々忘れやすいので、とりあえず頂いたお仕事は、「頂いた瞬間に取りかかり、できる限り短期間で(出来ればその日のうちに)終わらせる」ようにしております。そうでないと間違いなく、お仕事の山に埋もれて忘却の彼方に行ってしまいます。

目の前にあるお仕事は、出来るだけ少ない方がいい、人の認知能力には限界があり、あまり多くの情報を入れると処理能力?が鈍る、とどこかで聞いたことがあるのですが、私はその最たるもので、あまりお仕事を多く抱えると、かえって全くお仕事が進まなくなってしまうのです。

いや、正確に言いますと、スライド作りや校正といった短時間で済むものは、じゃんじゃん終わらせられるのでいい感じで仕事できるのですが、一から原稿を作る系のお仕事は、なかなか進まないが故に他のお仕事も引っかかってしまう「律速段階」になってしまうのですね。それが連載になってしまうと、ずーっと引っかかり続けるのが大変なストレスになってしまうのです…。連載記事を持たれているすべての方を大尊敬します。

まあ、なかなか仕事が進まない現状に対する言い訳でした。特定のお仕事を指すものではありませんが。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:40 | Comment(0) | 日記

2018年09月14日

動脈血液ガス分析・呼吸機能検査3

・AGが増加する代謝性アシドーシス

敗血症・乳酸アシドーシス|乳酸
糖尿病性ケトアシドーシス|ケトン体
飢餓状態|ケトン体
尿毒症|リン酸
中毒|メタノールなど


AGが増加している場合、AGの上昇分(すなわち増えた陰イオン=有機酸分)、HCO3-が消費され、その分、本来のHCO3-よりも低下して測定される。ということは、本来のHCO3-は実測HCO3-値よりも、AGの上昇分高くなる。

補正HCO3-=実測HCO3-+(実測AG-12)

これが正常範囲より多ければ、代謝性アルカローシスが存在することになる。つまりこの式で補正することにより、代謝性アシドーシスで隠された代謝性アルカローシスが検出できる。


・AGの増加を伴わない代謝性アシドーシス
⇒多いのは、HCO3-が失われて相対的にCl-が増加したパターン。

下痢|消化液とともにHCO3-が失われる
尿細管アシドーシス|尿細管でのHCO3-再吸収が障害される


■ 代謝性アルカローシスの原因

HCO3-が増加している状態。

嘔吐で胃酸を喪失する
ループ利尿薬の長期間投与
HCO3-を含む物質の摂取・投与
低カリウム血症(細胞内のK+と血中のH+が入れ替わり、H+が細胞内に入る)
長期間の呼吸性アシドーシスを代謝性アルカローシスで代償しているところへ強制換気を行って代謝性アルカローシスが残った。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:25 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月13日

動脈血液ガス分析・呼吸機能検査2

メインの病態(アシドーシス、アルカローシス)がわかったら、それと違う方(代謝性・呼吸性)が代償しているがどうかを確認する。
(例:呼吸性アシドーシスがあったら、代謝性アルカローシスで代償する)

代償していれば、ある程度長い間その状態である(=慢性期)。
代償していなければ、急性期である。


■ 呼吸性アシドーシスの原因

換気量(=1回換気量✕呼吸数)が減ってCO2が体内に貯留する。

COPDなどの閉塞性肺疾患
肺胞低換気症候群や脊柱側湾症など
神経筋疾患(胸郭運動が低下)
薬剤での呼吸抑制


■ 呼吸性アルカローシスの原因

換気量が増えてCO2が体内から出て行く。

低酸素による呼吸刺激(換気量の増加)
過換気症候群
疼痛による呼吸促迫
サリチル酸などの薬剤中毒


■ 代謝性アシドーシスの原因

呼吸によらず体内に(CO2以外の)酸が蓄積する。多いのはCO2以外の酸(乳酸やケトン体などの有機酸)が体内で産生された場合である。
アニオンギャップ(anion gap:AG)体内の気軽に測定できるカチオン(Na+)とアニオン(Cl-とHCO3-)の差(=測定したい有機酸)。

AG=(Na+)−{(Cl-)+(HCO3- )}
正常値は12±2mmol/L。

AGが増えていたら、「余計な酸が体内で産生されている」ということ。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:26 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月12日

動脈血液ガス分析・呼吸機能検査1

動脈血液ガスの正常値(正常範囲)

pH:7.400(7.350〜7.450)
PaCO2(動脈血ガス二酸化炭素分圧):40Torr(35〜45Torr)
PaO2(動脈血ガス酸素分圧):80Torr(80〜100Torr)
HCO3-(重炭酸イオン):24mEq/L(22〜26mEq/L)
BE(塩基過剰):0mEq/L(-2〜+2mEq/L)

pHが低くなる:アシデミア(酸:acid)
pHが高くなる:アルカレミア
⇒pHを見たときには、アシデミア、アルカレミアという。アシドーシス、アルカローシスとはいわない。

PaCO2↑(>45Torr):酸性物質であるCO2が増えるのでpH低下
→呼吸性アシドーシス(アシデミアに向かう力)
PaCO2↓(<35Torr):CO2が減るのでpHは上昇
→呼吸性アルカローシス(アルカレミアに向かう力)


HCO3-↑(>26mEq/L):アルカリが増えるのでpH上昇→代謝性アルカローシス
HCO3-↓(<22mEq/L):アルカリが減るのでpHは低下→代謝性アシドーシス

BE:血液が37℃でPaCO2=40と仮定したときに、pH=7.400にするために必要な酸や塩基の量を表す。

BE>+2⇒塩基が多い=代謝性アルカローシス
BE<-2⇒塩基が少ない=代謝性アシドーシス

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:19 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2018年09月11日

胸部単純X線のみかた2・シルエットサインと肺の区域

シルエットサインはこれまでも何度も取り上げているので、よくご覧の方はよくご存じのことと思いますが…。

元々存在する線をなす構造物に接するような、肺内の(主に水濃度の)病変ができると、その「線」が消えてしまう現象です。線が消えた状態を、シルエットサイン陽性、といいます。

肺には10の区域があり、S1〜S10と番号が付いています。

右肺
上葉:S1, S2, S3
中葉:S4, S5
下葉:S6〜S10

左肺
上葉:S1+2, S3〜S5
下葉:S6〜S10

線が接する区域は大体決まっていますので、どの線がシルエットサイン陽性になっているか、で、肺のどの区域に病変があるか、が一目でわかるわけです。

スライド10.JPG

例えば、この辺に陰影があったとして…

スライド11.JPG

心陰影、左4弓がしっかり残っていれば、その陰影は心臓には接していない、ということですし…

スライド12.JPG

左4弓を消す、シルエットサイン陽性であれば、その陰影は心臓と接している、ということになります。

スライド13.JPG

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:33 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート