2018年04月30日

今後のお話

呼吸器学会で一息つきまして、先だっても申しましたように目の前のお仕事がだいぶ減りまして、これからの活動を考えておりましたが、ありがたいことに今後もいろいろとお仕事のお話を頂いております。

書籍は、これまでに7冊+改訂版×2、出版させていただき、新たなる企画といっても、もはやアイデアも出尽くして、何も残ってません…と思っていましたが、いろいろな方にお目にかかってお話をしていると、なんやかんや出てくるもので、また新たな展開がある…かも…しれません。

31398326_733372590119924_8437216619917659906_n.jpg
(金芳堂facebookページより引用)

講演会や勉強会は、いろいろ新たな出会いがあり、いつも本当にありがたく、楽しくやらせて頂いております。その場で頂くご質問、あとの情報交換の場でのお話で、新たな視点、考え方を得ることができるのです。日本全国、どこにでも伺います!この学会でも打ち合わせがありました。今後の予定もまた告知致しますね。

肝心の、日々の仕事に関しては…

31250534_1651859251595970_69079167362138112_n.jpg

引っ越しました。モニター三面が、きちんとおけるようになり、スライド作成や執筆作業が捗る快適なお仕事環境になりました!

それはともかく、このたびの引っ越しは、ついに、滋賀医大の「呼吸器内科」が「呼吸循環器内科」から独立したことによります。ちょっと状況が流動的になっていて予断を許さないので、これ以上のことは申せませんが、どうなってもその場でがんばるのみです。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:43 | Comment(0) | 活動報告

2018年04月29日

第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場レポート2

ということで、2日目の報告をいたします。しかしながら!!

なんと昨日は家にスマホを忘れるという失態。まあ別にそれほどスマホ依存ではありませんので、取りに帰ることはしませんでしたが、写真が全然撮影出来ませんでしたね…。

滋賀医大の先生方の発表や…知り合いの先生方の発表など…写真なし。
と!いうわけで!書籍展示も巡りまして、大変ステキなありがたい展示をして頂いていたのですが、写真撮れず、またも、金芳堂さんのfacebookページより引用させて頂く次第です。

31369396_733372696786580_7865148776279321679_n.jpg
(金芳堂facebookページより引用)

31357585_733372663453250_586362709522139056_n.jpg
(金芳堂facebookページより引用)

学会に参加しておられた先生方は気づかれたでしょうか?あるいは、この写真でも…。

ご覧頂けますように、通常は出版社さんごとに書籍を並べて頂くところ、金芳堂さんと日本医事新報社さんのコラボにより、「長尾先生コーナー」を作ってもらっちゃった、というわけなのです。これには驚きです。両者のご担当者様、誠にありがとうございます。大変感謝しております。南江堂さんもいいところに置いて頂いてましたが、とにかく写真がございません。残念です。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:26 | Comment(0) | 活動報告

2018年04月28日

第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場レポート

今週末は、第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場です。昨日に引き続いて、今日も行って参りました。まずは昨日のご報告。

31369769_733372430119940_7117047741295144654_n.jpg
(金芳堂facebookページより引用)

昨日はかねてより申していたとおりポスター発表「教育・終末期医療他」セッションで座長をさせて頂きました。心配もありましたが、質疑応答も活発にしていただき、かつ、時間キッチリに終わるという、なかなかステキな進行具合でした。共に座長をして頂いた市立芦屋病院緩和ケア内科部長 松田良信先生のおかげです。松田先生、本当にありがとうございました。

座長のあとは大阪駅北のグランフロント大阪へ。インターコンチネンタルのセレブな空間に迷い込むと…

IMG_20180427_182544.jpg

IMG_20180427_204157.jpg

ステキなお料理と…

IMG_20180427_221413.jpg

ステキな女性達と…

久しぶりの楽しいひとときでした。あ、くれぐれも、昨今話題のセ○ハラ案件ではありませんのでご安心ください(だったらこんなところに書きませんね…)。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 21:39 | Comment(0) | 活動報告

2018年04月27日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問3・CO2ナルコーシス2

Q:カニューラで4L投与するとCO2ナルコーシス?だったかになるからマスク4Lに変えて、と言われたことがあります。その違いが知りたいです。

A:経鼻カニューラとマスクとの大きな違いは、吐いた息が溜まるかどうかです。

図スライド.jpg

マスクは鼻・口の周りを取り囲む100〜200mL程度の大きさのドームです。もちろんシンプルマスクでは孔があいてはいますが、それでも吐き出した息の幾ばくかはマスク内に残り、次の吸気でそれを再吸入してしまうと考えられています。

ですからマスクで低流量、5L/分未満はあまり好ましくないとされます。特にCO2貯留傾向のある症例では避けるべきです。

それとは別に、経鼻カニューレで4L、というのは、普通の換気状態であれば結構FIO2が高くなりますので、それはそれで好ましくありません。

でもご質問のように、経鼻4Lはダメでマスク4Lにしなさい、というのも違うと思います。ご質問のような場合でしたら、経鼻カニューレであれば、(SpO2を見ながら)低流量から、マスクなら、ベンチュリーマスクを使う、とかですね。


これから第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場へ向かいます。ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション発表の先生方、よろしくお願い申し上げます。また書籍コーナーにも出没予定。

ナースのための呼吸器道場

トップページへ

posted by 長尾大志 at 12:55 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年04月26日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問2・CO2ナルコーシス

Q:CO2ナルコーシスについて。どんな疾患・どんな人に特に注意していけばいいでしょうか。(酸素療法を行うにあたり)

A:早速質問がかぶってきましたね…。CO2ナルコーシス、というのは、CO2の蓄積によって呼吸性アシドーシスを来たし、意識障害を招いて自発呼吸が減弱する病態です。

通常、慢性に高CO2血症〜U型呼吸不全がある症例において、不用意に?高濃度酸素を投与することで、呼吸ドライブが抑制されて低換気〜さらにCO2貯留、という流れが考えられています。

ですから疾患としては、基礎にCOPDなどの、CO2が溜まるような慢性肺疾患、それに換気量が低下しがちな神経筋疾患がある、などの場合、注意が必要です。

出来れば慢性にそういう疾患がある場合、安定期でも血液ガスを採って、CO2貯留の有無を見ておきたいところですね。

ナースのための呼吸器道場

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:58 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年04月25日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問1・酸素吸入の目安とは

しばらくこちらで学会予習をしているウラで、書籍やら講演スライドやら各種問題作成やらで実はてんてこ舞いでした。各種問題はこちらで公に出来ませんからねー。

それらもだいぶ終えまして、これからはまた「酸素」「低酸素」系のお仕事です。

以前、メディカ出版さんの雑誌『呼吸器ケア』で、『素朴なQ にカンペキA! 長尾先生のやさしイイ 気胸・胸水・胸腔ドレナージ』という巻頭特集をお任せ頂いたことがありました。

その時のQ&Aは、今でも名作と思っていますが、ずいぶん前に雑誌は売り切れて手に入らないようです。残念……それはさておき、次は酸素にまつわるQ&Aを考えてみよう、というわけです。いろいろとこれまでに頂いたご質問にお答えして参りますよ。これからご質問を頂いても、もちろんOKです。酸素にまつわるご質問がありましたら、コメント欄にどうぞ。


Q:療養型の老人病院です。SpO2が低下なくても呼吸状態や末梢チアノーゼなどにより、酸素吸入を行う時もあるのですが、O2 3L以上はめったに流していません。O2吸入、使用の目安、流量について教えて下さい。

A:いきなり核心に迫るご質問ですね(笑)。まずは、O2吸入、使用の目安、流量について、ということですが、それだと全部になってしまう(汗)ので、あくまで一般論としてのO2投与の目安をお答えします。

でも実際、療養型などで、検査なんかもなかなか難しい、アセスメントも出来ない、でもなんか苦しそう、チアノーゼがある、とかで「酸素でもいっといて」みたいな場面、意外にあるのではないでしょうか。実はこういうご質問、結構頂くのですね。

一般論としては、経鼻カニューレで流すようなローフローシステムの酸素であれば、少なくとも(酸素中毒など)害になることは少ないと考えられます。ですから、SpO2 が低下している、特に90%を下回っている、というとき、頻呼吸で苦しそうなとき、チアノーゼが見られるときなど、2~3L/分投与してみて様子を見る、みたいな感じでされていることが多いようです。

また、基礎にCOPDがある、慢性にU型呼吸不全がある、などの場合、CO2ナルコーシスの危険があり、過量のO2投与は勧められません。そういう場合には経鼻カニューレでも0.25Lとか0.5L、みたいに少量からの投与が望ましいでしょう。

ナースのための呼吸器道場

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:09 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年04月24日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習12

■ 当院呼吸器疾患患者の亜鉛欠乏症の検討

背景

亜鉛欠乏症は、2016年に診療指針が発表され、呼吸器疾患との関連が報告されている。2017年に酢酸亜鉛水和物に低亜鉛血症が効能追加された。

目的

呼吸器疾患患者での亜鉛欠乏症を検討する。

対象

2007年1月から2017年8月に10日で血清亜鉛値を測定した94人(72.4±12.3、平均±SD)歳、男54人、入院76人)。

方法

診療内容を retrospective に調査した。

結果

2007〜10年9人、11〜14年28人、15〜17年57人で測定され、肺癌28人、肺炎20人、結核17人、間質性肺炎6人、COPD5人。測定理由は、味覚障害31人、食欲低下・嚥下障害21人、口内炎など19人、褥瘡7人。亜鉛欠乏症(Zn<60μg/dL)59人、潜在性亜鉛欠乏(60≦Zn<80μg/dL)23人、正常12人で、年齢73.3±11.2、73.5±10.7 、65.7±18.3歳、BMI 18.4±4.2、19.9±3.9、16.4±3.9kg/m2、アルブミン2.6±0.7、2.9±0.7、3.3±1.0g/dL、Hb10.4±1.9、11.2±2.1、11.0±2.0g/dL、ALP 低値なし、投薬28.5、5人。正常で投薬された人の BMI 14.2±3.1kg/m2。(原文ママ)

結論

Zn測定は増加傾向で Znはアルブミンと相関傾向があった BMI 低値での測定が多く BMI超低値の場合は Znが正常でも投薬されることがあった。

所感

やはりZn欠乏とその意味、そして治療(薬剤)が周知されてきている、ということなのでしょうね。投薬の傾向に加えて、治療効果などについて調査されると今後の展開が期待できるかと思います。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:07 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月23日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習11

■ ステロイド内服中の呼吸器疾患患者におけるデノスマブの有効性の検討

背景

ステロイド内服開始から数ヶ月の経過にて急速に骨密度が低下することが報告されており、その割合は年間に2〜4%ほどである。呼吸器疾患にてステロイド内服中の患者を対象としたステロイド性骨粗鬆症の治療法としてデノスマブの有効性はエビデンスが不十分である。

方法

2014年10月から2015年1月までの間に、松阪市民病院にてステロイドを内服された患者を対象として、同意取得後からデノスマブを投与し腰椎と大腿骨の骨密度を6ヶ月ごとに前向きにモニタリングを行った。

結果

36名中、平均年齢は73.1歳(範囲51-89)、男性は15名(41.7%)、腰椎骨密度は0.775g/cm、大腿骨密度は0.542g/cm、呼吸器基礎疾患は間質性肺炎が31名、 COPD が5名であった。腰椎骨密度は12ヶ月後、28ヶ月後では有差に上昇が認められたが(p =0.0026、p<0.001)、大腿骨密度の変化は12ヶ月後に有意差は認めないが、28ヶ月後には有意差が認められた(p=0.0259)。

考察

呼吸器疾患にてステロイド内服中の患者群では長期経過にわたりデノスマブにより腰椎骨密度と大腿骨密度はともに上昇傾向を認めた。(原文ママ)

所感

ステロイドを長期投与せざるを得ない疾患は多く、それに伴う合併症(消化性潰瘍、感染症、耐糖能異常、そして骨粗鬆症などなど)対策には頭を悩ませられるところです。骨粗鬆症についてはビスフォスフォネートを使われることが多いかと思いますが、長期的作用についてはなかなか難しいところもあり、デノスマブにも期待したいところですね。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:42 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月22日

各種お知らせ

今日は久々の、何もない週末です。

2月から、しばらくの間、「目の前の締め切り仕事をただひたすらこなす」日々を過ごしておりました。まだお仕事が残っては居ますが、次の締め切りは5月下旬。ちょっと一息、という感じです。

この間、書籍(単著)3冊、雑誌特集(単著)1つ、雑誌特集共著2つ、医師国家試験解説作成、看護師国家試験解説作成、病気が見える(呼吸器)監修、あとは試験問題と解説、「作問のねらい」の作成、などなど、公に出来ないもの含め、たくさんのアウトプットを致しました。

ちょっと自分の処理能力を超える作業量で、この間の記憶がほとんどありません。でも次々と形になっていくのをみて、楽しくまた充実していた日々でした。特に書籍の刊行は、やはりテンションが上がるものです。

いよいよ今週末は呼吸器学会@大阪です。ということで、書籍コーナーに並ぶ、最近発売になる(なった)拙著のご紹介をさせて頂きます。

表紙.jpg

検査ができない!?専門医がいない!?現場で役立つ呼吸器診療レシピは、リンク先をご覧頂くと、「タイトルで対象がわからない」と酷評されていますが(汗)、検査ができないセッティングの開業医の先生方、専門医が不在で、総合内科の先生や一般内科の先生や消化器内科の先生や循環器の先生が呼吸器疾患症例を診ておられる、そういう現場が世の中にはたくさんありますが、そこの先生方、がまずは対象です。しかしながら、呼吸器専門医でも、検査ができないセッティング、というのは実はよくありまして、そういうところにおられる若手の先生にも好評を頂いています。自分ではわかりやすいタイトル、と思っていたのですが…やはり客観的にご覧になっている方のご意見は貴重です。

内容としては、ある程度勉強しているんだけど、この辺のニュアンスがわからない、というお話をよく伺う、「咳の鑑別」「非結核性抗酸菌症」「間質性肺炎」を中心に、ご質問をよく頂くところ、誤解されているケースをよく見かけるところを多く書いています。なので、かなり内容に偏りが(汗)。学会場で見かけたら、ちょっと立ち読みしてみられることをオススメします。


第2版表紙.jpg

つづいては、おなじみのやさしイイ胸部画像教室、いよいよ第2版がでました。以前にも書いたかもしれませんが、40ページ増、写真の入れ替え&追加が100枚以上でありながら、価格はわずか100円のupで抑えて頂いております。日本医事新報さん、ありがたやでございます。初版の内容が変わったわけではありませんので、初版をお持ちの方も、これからも安心して使い続けて頂けます。


呼吸器腹落ち表紙.jpg

Dr.長尾プロデュース 呼吸器腹落ちカンファレンス 呼吸の果てまでカンファQ!という本が、まさに呼吸器学会にギリギリ、印刷が間に合うのか?合わないのか??というタイミングで、ただいま絶賛製作中であります。もし学会場でお見かけになりましたら、出版社さんがんばったな!と思って頂ければと思います。こちらはこれから呼吸器を回る、学生さんや研修医の先生が対象です。対象は絞られています(笑)。指導医・上級医がカンファレンスで尋ねてこられるであろう事柄=呼吸器を学ぶ上で大事なことを、紙上カンファにぎゅうぎゅう詰め込んでいます。これから呼吸器を回るんだけど、カンファをどうサバイバルするんだ…??と頭を抱えている皆さん、毎週、毎月、毎年、若い子が回ってくるけど、どう教えりゃいいんだ…???と頭を抱えている上級医の皆さん、もし学会場で見かけたら、まずは立ち読みしてみてください。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 15:26 | Comment(0) | 活動報告

2018年04月21日

Lung cancer seminar for EGFR-TKI in KYOTO

今日は京都で表記の会がありましたので、参加して参りました。

IMG_20180421_170311.jpg

なんといっても目的は、筑波大学医学医療系 診断病理学研究室 教授の野口雅之先生のお話。そう、あの、「野口分類」の生みの親である野口先生その方であります。

肺癌、とくに初期腺癌の病理分類は、WHO分類が変わって、私のような門外漢の臨床医にとって大変わかりにくいモノになっています。放射線科医との相違のみならず、病理医の間での意見の相違であるとか、他臓器の癌との違いであるとか、興味深いお話をたくさん拝聴できました。

そして次には、肺癌化学療法、日本の大規模臨床試験の重鎮である福岡正博先生による、肺癌化学療法の歴史総ざらえ講演。こちらも興味深い歴史的エピソードが満載でした。

あとは、久しぶりにお目にかかった旧知の先生に、叱咤激励をいただき、今の立場ではやはりいろいろダメだなと痛感しました。環境が変わらないと人間ダメになるってことです。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 22:25 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月20日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習10

■ 女性内科医師の勤務実態と意識調査から見える、離職防止のための対策について

背景

我が国は深刻な医師不足に直面しており、医学部の定員が増加をしているにもかかわらず、解決の兆しが見えていない。その原因の一つとして、女性医師の増加と病院からの離職がある。

目的

どうすれば女性内科医師の労働人口が維持できるのか、調査検討を行う。

方法

2017年9月から10月にかけて、大阪府下の20歳台から50歳台の家庭のある女性内科勤務医10人にアンケート調査を行い、全員から同意、回答を得た。

結果

常勤9名、非常勤1名。70%は現場に概ね満足していると答え、今後希望する勤務形態ではフルタイム常勤が50%、時短の常勤が30%と、引き続き常勤を希望する割合が多かった。また80%が休職したことがあると答え、主な理由は出産であった。勤務状況の改善のために必要なこととして、60%が医療側勤務体制の見直しを一番に挙げ、その内容として日当直と時間外勤務等の時間的な免除を多くの女性医師が望んでいることが分かった。

考察

多くの女性内科勤務医が常勤を続けたいと希望しているが、フルタイム希望は半数に止まっており、時短や日当直・時間外免除医師の増加対策が急務と考えられた。

所感

大変重要な課題を取り上げられた、意欲的な研究です。背景では女性医師の離職が問題である、ということですが、今回の研究では現職の勤務医を調査されていて、必ずしも離職されている方にアプローチされていないようです。今後離職されている方に、離職の理由、きっかけ、などを伺えると、対策の立てようも出てくるかなと感じました。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:30 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月19日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習9

■ POLSTを用いた呼吸器疾患終末期への取り組み−2終末期医療に患者の意思は叶えられたか

目的

当院では、終末期生命維持治療に関する医師指示書(Physician Orders for Life Sustaining Treatment:POLST)を用いて、「終末期の意思指示書」として運用している。今回、終末期医療に患者の意思が反映されたかを検証した。

方法

POLST後、終末期の医師指示書として運用後、当院入院・外来(訪問診療)で死亡された39名の終末期医療を調査した。

結果

A心肺蘇生:急変時CPR施行を希望の8名中5名にCPRを実施。DNAR希望の31例は全員DNARだった。
B心肺停止前の措置(呼吸管理):挿管希望の3例中2例に挿管。NPPV または酸素のみ希望患者は全員希望に添えた。
C抗生剤使用:希望しなかった2名中1名は感染併発時に患者の同意後、使用した。
D経管栄養:希望8名中5名で実施。希望しなかった21例中1例で患者、1例は家族のみの希望で実施した。当初積極的治療・措置を希望も、終末期に患者又は家族の希望や医学的適応がないため中止した例は認められたが、患者の意思に反する延命措置は経管栄養を行った1例のみであった。

結語

POLSTを用いることで終末期医療に患者の意思を反映することができた。(原文ママ)

所感

昨日と同じく、単なる導入体験記で終わらせないためには、例えばPOLSTを運用開始して、それ以前と比較して患者の意思が反映されやすくなった、とか、意思通りにいかなかった例では何が問題となったかとか、何らかの考察が欲しいところですね。ポスターをしっかり確認いたしましょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月18日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習8

■ POLSTを用いた呼吸器疾患終末期への取り組み一肺癌と非癌で差はあるか

目的

当院では、終末期生命維持治療に関する医師指示書(Physician Orders for Life Sustaining Treatment:POLST)を用いて、終末期に患者自身の意思希望が反映されるように取り組んだので報告する。

方法

2016年7月から2017年3月に呼吸器病棟に入院した肺癌または75歳以上の呼吸器疾患患者を対象とした。POLSTを用いて、終末期医療について4者(医師、看護師、患者、家族)で話し合い、4者の署名後、「医師指示書」として運用した。

結果

129例(肺癌34例、非癌95例)で運用した。肺癌、非癌で
A心肺蘇生は (CPR 29.23% 、DNAR 71.77% 、NPPV 管理を追加した)
B 心肺停止前の措置は、増悪時挿管施行3.5%、NPPVが最終26.36%、緩和目的NPPV56.38%、酸素のみ15.21%
C 抗生剤使用希望91.85%、感染時のみ9.13%、使用しない0.2%
D 経管栄養使用12.19%、使用しない56.57%、期間限定使用32.24%であった。肺癌、非癌で大きな差は認めなかった。家族は肝臓より延命治療を希望するも話し合いの結果患者自身の希望に合わせることが多かった。(原文ママ)

結語

終末期希望されない処置は、経腸栄養が最も多く、肺癌・非癌で大きな差はなかった。

所感

POLSTを導入した、導入体験記で終わらないためには、解析した結果、群間の差をみることでなにが言えるのか、というビジョンがなくてはなりません。ちょっと結果のところの文を含めてそのあたりのことがよくわからないので、ポスターをしっかり確認いたします。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:48 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月17日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習7

■ 医学部学生5年生に対する吸入薬の吸入実習

背景・目的

吸入療法は気管支喘息やCOPDなどの呼吸器疾患にとって重要な治療法である。また吸入薬の十分な効果を得るためには薬剤師、医師、看護師などによる吸入指導が重要であるが、吸入薬を処方する医師は吸入薬について理解しておく必要がある。そこで今回我々は医学部学生を対象に吸入器を用いた実習を行った。

方法

平成28年9月から平成29年9月の期間、鳥取大学医学部附属病院で臨床実習を行った医学部5年生112名を対象とした。気管支喘息とCOPDの講義を行った後、環境再生保全機構が作成した『ぜん息・COPD 正しい吸入方法を身につけよう』の動画を参考にしながら、各種DPI、pMDIの吸入練習機、製剤見本を用いた実習を行った。また吸入実習後に自由に感想を記載してもらった。

結果

吸入実習後の感想としては、「吸入指導の大切さが分かった」36.6%、「吸入薬の種類が多いことが分かった」27.6%、「実際に使用して吸入方法が分かってよかった」25.0%、などであった。

考察

医学部学生に対する吸入実習は、吸入指導の大切さや吸入薬の使用法、有用性を理解するうえで有用であると考えられた。

所感

これも教育に関する発表です。吸入薬の吸入指導実習ですか…やはり学生にもこういう指導も大切なのですね。感想の記載だけでは実習報告になってしまいますので、習得の効率や、5年生で吸入実習を行う必要性についてなど、考察をして頂くとよろしいかと思います。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:39 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月16日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習6

■ 疑似電子カルテを用いた咳嗽初診ロールプレイの行動解析

咳嗽初診患者は多いが、初期研修医に外来初診を教育する機会は少ない。

目的

外来初診ロールプレイ受講者の診療行動を検討し教育方法の改善を図る。

方法

ファイルメーカーで作成した疑似電子カルテを用いた外来初診ロールプレイ講習会を開催した。同一症例のカルテ記録を検討した。

結果

遷延性咳嗽症例の医学生1名および初期臨床研修医9名の診療記録を参照した。肝・腎機能、電解質、血算が80%以上選択されていた。IgEが8名に選択された。全例で胸部 X 線で肺癌や肺炎の除外は検討されたが、スパイロメトリーは8名にのみ選択された。気管支喘息、咳喘息はほぼ全例で鑑別に挙げられていたが、アトピー咳嗽は2名のみであった。治療まで言及できたのは5名であった。検査項目として、直接入力できなかった喀痰培養、喀痰細胞診は評価が不十分であった。

結語

初学者に対する咳嗽診療には呼吸機能検査の重要性とアトピー咳嗽を鑑別に挙げるよう指導することが重要と考えられた

所感

おお、これは!ちょっと発表の数分では語り尽くせない内容ではありませんか?遷延性咳嗽症例を外来初診で診るためのトレーニングをどのように展開していくか、は呼吸器教育のキモともいうべきところです。

その教育に使われているロールプレイ講習会で、受講者の行動をフィードバックした結果、ということですね。まず最初の教育をどのように行われているか、大変興味がありますし、このようなフィードバックがあると、次には教育する上でどこに力点を置いてカイゼンすべきか、ということが見えて参ります。是非今後も継続して、教育技法のブラッシュアップにつなげて頂きたいと思います。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:21 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月15日

内科学会ことはじめ

内科学会ではあまり講演とかに魅力を感じることはなく、もっぱら学生さんや研修医の先生方の「ことはじめ」を見て回っておりましたが…やはり…研究発表大事だなと!!自分たちがやっていないと、学生さんに発表させることもできないしね!

魅力的な講座にはやはり力のある若い人が集まってくる、もっともっとがんばろう、と、なんかいろいろ見て回って、思いました。手短ですがこれにて見聞録はおしまいです。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:06 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月14日

第115回日本内科学会講演会@京都に参加してきました。

昨日から京都で第115回日本内科学会講演会が開かれており、参加して参りました。今日は土曜日ですし、天気もまだ大丈夫であったためか、多くの方がいらっしゃっていましたね。そもそもこの時期の京都、観光客も多く、道も混雑していました。シャトルバスも大混雑。

kouenkai.jpg

で、いつものごとく書店巡りです。内科学会は、いつも出版社ごとにブースがあるんですよね。著者別にして頂きたい、といつも思うのですが…。

IMG_20180414_135558.jpg

『検査ができない!?専門医がいない!?現場で役立つ呼吸器診療レシピ』は、南江堂さんですので、『スッキリまとめました』シリーズの横に置いて頂いております。

IMG_20180414_135040.jpg

『やさしイイ胸部画像教室 第2版』。あいかわらず『やさしイイ』シリーズは、いいところに置いて頂いております。

IMG_20180414_135436.jpg

今や一大勢力となった、『ただいま診断中!』ファミリーに入れてもらっています!『呼吸器内科 ただいま診断中!』、実は『ただいま診断中!』シリーズの第1弾なのです。

ということで、明日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:38 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月13日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習5

昨日は第45回神戸市北区呼吸器疾患勉強会で、胸部X線写真のお話をさせて頂きました。座長を頂いた深堀先生はじめ、お話しさせて頂いた先生方、ご参加頂いた先生方、本当にありがとうございました。よろしければ、昨日お話ししたとおり、やさしイイ胸部画像教室 第2版、および検査ができない!?専門医がいない!?現場で役立つ呼吸器診療レシピもよろしくご参照頂ければ幸いです(笑)。

さて、4月27日の第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター「教育・終末期医療他」セッション予習、まだまだ続きます。お付き合いいただけると幸いです。


■ IOS プログラミングによる酸塩基平衡解析アプリケーションの作成

近年タブレット端末が医療現場にも普及し、日常の診療業務でも薬や論文その他の医療情報の迅速な検索に利用できるようになった。

しかし市販のアプリケーションでは数冊の教科書を電子化しただけのものも多く、操作も煩雑で必要な情報へアクセスするには時間と労力を要する。

また自分流にカスタマイズができる、いわゆる『かゆいところに手が届く』使用感の物は少ないのが現状である。

そこで業務の効率化ができ、さらに病態の理解につながるようなアプリがあれば有用ではないかと考えた。

マッキントッシュ PC 上で iOS アプリケーションプログラミングソフトであるX-code を用い、特別なプログラミングスキルを必要とせず無料で作成が可能であって、特に臨床現場で煩雑な処理が必要とされる酸塩基平衡解析をアルゴリズム化した iPad アプリケーションを作成したので発表する。

所感

これはもう、現物を拝見しないとなんともかんとも…。これだけスマホ(携帯端末)の機能が優れていれば、あとは使う人のアイデア次第、というところでしょうか。

アプリでもって各種計算や診断ができるとなると、酸塩基平衡は計算できなくても、医者をやっていける、極論、知識がなくても医者をやっていける…ということになるのか、未来の医師像は果たして。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:57 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月12日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習4・第45回神戸市北区呼吸器疾患勉強会

4月27日の第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター「教育・終末期医療他」セッション予習にお付き合いいただけると幸いです。


■ 術前の呼吸器内科紹介例における周術期呼吸器合併症のリスク評価の検討

概要

術後呼吸器合併症(PPC)は術後一週間以内の死亡原因のおよそ2割を占め、周術期死亡の主な原因であるという報告もあるが不明な点も多い。

2年半の間に術前リスク評価目的で紹介受診した230名を対象に PPC 発症のリスクについて後方視的に検証した。

結果

PPC発生率は9.1%であった。PPC群と非PPC群との比較では男性の割合(81% vs 44%)、喫煙率(80% vs 46%)、BMI中央値(20.4 vs23.0)、手術部位(頭頂部・胸部・腹部)(95% vs40%)、手術時間中央値(4.12時間 vs3.08時間)に有意差を認めた。

呼吸機能検査においてはPPC群の方が%FVC、%VC、%FEV1、FEV1%が低い傾向にあったが有意差は認めなかった。

結語

男性、喫煙、るいそう、手術部位、手術時間がPPC発症のリスク因子であり、特に予防策を講じる必要がある症例群であることが示唆された。

所感

これはまさに臨床の現場で生じるクリニカルクエスチョンに答えてくれるような研究であるといえるでしょう。手術前に「○○(呼吸器疾患)があるのですが、手術していいっすか?」みたいなご照会が多々あり、対応に苦慮しているところで、何か客観的な指標を示して頂けると助かります。

そもそもこの施設では、術前リスク評価目的で紹介受診される基準がどのようなものかは知りたいですね。そして基礎疾患によってどうなのか、たとえばCOPD他の肺病変があるか、このあたりは興味があります。今後知見を重ねられて、新しい基準を作って頂けることを期待します。


ということで、本日はこれから神戸に出張です。第45回神戸市北区呼吸器疾患勉強会にお招き頂き、最近アツい胸部X線写真のお話をさせて頂きます。神戸市北区の先生方、どうぞよろしくお願い申し上げます。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 15:57 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年04月11日

第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション予習3

4月27日の第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター「教育・終末期医療他」セッション予習にお付き合いいただけると幸いです。


■ 呼吸困難を主訴に救急外来を受診した症例の臨床的検討

概要

1年間に大学病院救急外来総合診療センターを受診した患者9283例のうち、呼吸困難を訴えた症例を対象とし、臨床的特徴につき調査した。

症例は男性223人、女性261人、平均年齢61.4歳であった。

結果

救急車で搬送された患者はウォークインで受診した患者に比べSpO2が低く(93.8%vs95.8%)呼吸回数が多かった(24.3回vs22.8回)。

呼吸困難の原因が呼吸器疾患であった割合は全体の40%で、ついで循環器疾患が17%を占めた。呼吸器以外の悪性疾患、重症感染症、消化管・慢性肝疾患、代謝障害などが1〜数%の割合で認められた。

呼吸器疾患が原因の患者は他が原因の患者に比べ SpO2が低く(93.3%vs95.7%)呼吸回数が多い傾向にあった(24.1回vs23.2回)。

結論

救急搬送される患者や呼吸器疾患が原因の呼吸困難は、その他に比べて重症度に関連するパラメーターが悪い。呼吸器、循環器疾患以外にも、様々な疾患病態で呼吸困難を呈することを考慮し救急診療を行う必要がある。

所感

これだけだとそりゃそうでしょ、という感じですが、いろいろ考えてみると様々な展開が考えられます。例えば心拍数との関係はどうだったか。その関係から、呼吸器疾患と他疾患の鑑別が可能であるか、とか。また、層別で救急車搬送群の中で、呼吸器疾患と他疾患との違いとか、ウォークインならどうかとか、低酸素があったかどうかで群分けするとか、大変興味深いですね。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:46 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録