2018年01月31日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには13

両側びまん性、特に下肺野優位に淡い高吸収域(すりガラス影)があり、横隔膜も両側挙上しているようです。ポイントは横隔膜がちょっとぼやけているところ。2年前の胸部X線写真と比較してみましょう。

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横隔膜がハッキリ見えていますね。それに両側下肺の濃度もほぼ正常です。このように、元々存在する線(心陰影、横隔膜、大動脈など)がぼやける、不明瞭になる、という所見は間質性肺疾患などの存在を示唆します。ですから慢性咳嗽の原因を見つけるコツとして、元々ある線のぼやけを見ることも重要です。

胸部CTを見ると、胸膜直下、横隔膜直上に網状影、すりガラス影を認めます。possible UIPパターンといえるでしょう。

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posted by 長尾大志 at 18:41 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月30日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには12

■ 間質性肺炎

60歳代男性、数ヶ月前から乾性咳嗽あり、最近階段を上ったときに息切れが気になったので受診した。

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胸部X線写真で、咳の原因はわかるでしょうか…?

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posted by 長尾大志 at 18:36 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月29日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには11

この写真では両側の肺門が腫脹していて、リンパ節腫脹と思われます。

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また、気管分岐の角度も90度以上に開いていて、気管分岐下リンパ節の腫脹を疑います。

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posted by 長尾大志 at 17:29 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月28日

適々斎塾でお話をさせていただきました。

今日は大阪あべのメディクスにて、適々斎塾に参加・お話をさせていただきました。こちらは知る人ぞ知る、総合診療の志ある先生方と学生さんによる勉強会であります。

自分の出番は午後からでしたが、朝から参加させていただき、白河総合診療アカデミー東先生のお話。
そうそうと深くうなずくお話に、そういう表現が!と膝を打つお話もあり、勉強になりました。

自分自身、適々斎塾でお話しするのは初めてでしたが、これまでにお話しになっている先生方のそうそうたる顔ぶれを拝見するに、生半可な話ではご満足いただけまい、ということで、けっこうマニアックな?今度でる書籍のエッセンス、みたいな、呼吸器内科領域での悩み事、みたいなお話をさせていただきました。

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内容はともかく?、今回は先日の第3学年「免疫学」の講義でなかなかよい手応えであった、「ブルゾンながお」ネタをやらねば、ということで、勝手にかなり緊張しておりましたが、なんとか皆さまに温かく受け入れていただき、ホッとしております。

Google formも使ってみようとしましたが、無線が使えず断念でした。会場のWifi環境が大切であると実感しました。

自分の次に登壇された福井大学の小淵先生による講演には度肝を抜かれました。しかし考えてみれば自分にも同じことはできるはずで、自分で「これはできない」と制限を掛けてしまっていたように思います。もっとリミッターを外して、皆さんの心に残る講演を作っていきたいと思いました。

板金先生、中西先生、松村先生はじめ適々斎塾の先生方、東先生、小淵先生、それに絡んでくれた水谷君、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 21:41 | Comment(0) | 活動報告

2018年01月27日

あんたんパパによる生誕祭のお手紙を聴いて、努力の意味を考える

このタイトルを読まれても皆さん「???」「ポカーン(゜0゜)」でしょうから、説明をいたしますと…

NMB48メンバーの誕生日近くに行われるイベント=生誕祭、そこで近しい人からのお手紙が朗読されます。

今回の主役は井尻晏菜(いじりあんな:あんたん)。センターとか、選抜とかの経験はないものの、公演やメディアの仕事で日々頑張っているメンバーです。ご本人が「選抜なんて無理だし、そっちに向かって努力するってどうなの?」みたいなことをにおわせた、というバックグラウンドをふまえて、生誕祭でのお父様からのお手紙(一部抜粋)をご覧頂ければ。

(ここから引用)
届かないかも知れないけど、
自信が無いかも知れないけど、
努力をしない者には絶対に手に入らない。
入ったとしても、それは大人の気まぐれで
自分のモノにはならない。
努力するから、努力したから手に入れた時の価値が違う。
手に入らなくても、その努力が全力であれはあるほど、
実力や自信になる。
それが、晏菜の評価に繋がる。
重ねた努力は、自分を裏切らない。
わかって欲しい努力の意味を。
(引用ここまで)

かつて元AKB48高橋みなみの「努力は必ず報われる」を取り上げたことがありますが、その本意はこういうところにあったものと思われます。努力した⇒選抜、みたいなとらえ方をする人が多かったように記憶していますが、決してそうではない。

努力を積み重ねることで、いざというときに、「自分はこれだけのことをやってきたのだ」と実感できる。努力自体が自信の源になるのですね。

努力を積み重ねず、運や巡り合わせで良い立場を得たような人は、何かあったときにすぐ馬脚を現す、心が折れる、となりがちですし、努力を重ねて掴んだ立場だと、多少のことでは揺るがないのでしょう。

仮にその努力が直接実を結ばなくても、努力した、その記憶は、絶対にその人の中に残り、その人を、ゆっくりではあっても、必ず成長させていくでしょう。


神様、という概念は、うまくできているなあ、と思うのです。自分の努力を見ているのは自分自身であり、例えば陰で悪いことをしても、自分自身はそれを見ているわけです。それを、「神様が見ている」と例えているのですね。

神様が見ているから、陰でもいい振る舞いをする、というのは、他の誰でもない、自分自身がその行いを見ているから、ちゃんと振る舞う、努力をする、ということで、その人の人格が磨かれていくわけです。結果、人生が好転する。

悪いことをしても神様が見ている、それで地獄に行く、というのも、自分が悪いことをしている、それは誰あろう自分が一番よく知っている。それの繰り返しで、プライド、誇り、のようなものがどんどん毀損され、人格も汚れていく、人生も悪化していく、ということの比喩ではないでしょうか。

努力の末に、人生の充実が得られる、有り体に言うと「幸せになる」。幸せの青い鳥は、どこかにあるのではなく、努力した人が自ら「幸せである」と実感する、世の中のしくみはそのようになっているように思うのです。

しかしながら、努力をしていない人にはそれがわからない。努力していないと、努力の結果得られるものを実感出来ないから。

楽にお金を手に入れることが出来れば幸せなのか、というと、決してそうではないなあ、と思った次第です。

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posted by 長尾大志 at 18:01 | Comment(0) | 日記

2018年01月26日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには10

症例 60歳代男性 1ヶ月以上続く咳で受診

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ということでX線写真を撮りました。咳の原因はX線写真で見えるでしょうか…?

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posted by 長尾大志 at 17:24 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月25日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには9

原因はここです。

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そう。右肺門ですね。右肺門に腫瘤あり。PET画像がよくわかります。

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肺門から縦隔の陰影で気をつけるのは、このあたり(水色)ですね。肺門以外には傍気管線の横、AP window付近も、縦隔リンパ節が見やすいところですね。

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それと、透過している気道(紫色)の走行、途中の狭窄がないかを見ておきたいところですね。

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posted by 長尾大志 at 17:57 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月24日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには8

■ 肺癌

肺癌で自覚症状として咳が出てくる場合、中枢気道に癌が関与しているケースが想定されます。

  • 肺門付近にある中枢の癌

  • 縦隔や肺門のリンパ節腫脹

  • 癌ないしリンパ節腫脹による無気肺


これらを見逃さないようにするには、やはり肺門から縦隔の陰影に目を配る必要があります。


症例 主訴は慢性の咳・痰

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さて原因はどこでしょう…。

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posted by 長尾大志 at 19:49 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月23日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには7

症状が慢性咳嗽メイン、あと労作時息切れくらい、みたいなときは、水あまりも甚だしくありません。例えばこんな感じ。

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心拡大と両側胸水が見られますが、血管陰影の拡大やバタフライ陰影などは目立ちません。心拡大と両側胸水の所見は以前の陰影と比較するとよくわかります。

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posted by 長尾大志 at 16:52 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月22日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには6

■ 心不全

心不全、特にうっ血性心不全では、肺の内外・血管の内外に水が余っている(=うっ血)所見が見られます。

肺の内・血管の内に水あまりの所見といえば…
心拡大・血管陰影の拡大、特に肺動脈や立位における上方への血管拡大・カーリー線(広義間質肥厚による線状影)

肺の内・血管の外に水あまりの所見といえば…
肺胞内や間質の水⇒バタフライ陰影・すりガラス影・カーリー線

肺の外・血管の外に水あまりの所見といえば…
両側胸水⇒肋横角の鈍化・臥位では肺野陰影の均質な上昇・毛髪線肥厚・vanishing tumor

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ただ、こんな満貫みたいに所見が揃う、というのはかなり強い症状のときです。

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posted by 長尾大志 at 18:27 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月21日

医師国家試験直前!受験生応援企画「呼吸器総まとめ」

そんなたいした話ではありませんが、あと3週間ほどで医師国家試験です。直前というほど直前ではありませんが、受験生の皆さんにしたらもう直前と言っていいでしょう。というわけで、呼吸器のまとめのお手伝いをしてみます。

まあ、当てにいく、ということではありませんが、昨今の呼吸器業界のトピックって何だろう、ということと、最近の国試の傾向はどうだろう、ということと、大切なことをもう一度おさらいしておきましょう、とか主な項目をつらつらと。

・頻出、必出といえば…症例問題も必出
COPD増悪、CO2ナルコーシス、喘息発作、喘息治療、アスピリン喘息、SAS

・数年に一度…
COPD他のフローボリューム曲線

・最近出てきた傾向
身体所見でわかる疾患:気胸、胸水、無気肺など

・若い女性の息切れといえば
PAHかLAM

・両側びまん性の間質性陰影といえば
IPF

・健診発見無症状といえば
サルコイドーシス・肺胞蛋白症

・最近変わったガイドライン
成人肺炎、肺癌
ACOは昨年末ガイドラインがでましたので今回は間に合わないでしょう。ACO=喘息とCOPDのオーバーラップ、ですが、それ以上の特別な知識は必要ないと思います。

・肺癌の傾向といえば
治療方針・凝固亢進〜肺血栓塞栓症

・症例問題で特徴的な病歴
喘息⇒全身炎症⇒EGPA
喘息⇒粘液栓⇒ABPA
上気道症状⇒喀血他の肺症状(⇒腎障害)⇒GPA

・個人的にそろそろ?と思うこと
「温泉」のキーワードのないレジオネラ肺炎症例問題

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いくつかの進歩

以前からちょいちょいこちらでも語っているかと思いますが、最近のデバイスの進歩はものすごくて、授業や講演のやり方をがらりと変えそうです。

1つはGoogle form。これはスゴイ。集計、採点という面倒な作業から教員を解放してくれます。ちょっと授業のどのポイントで使うかとか、細かいところの微調整は必要ですが、とにかく簡単です。

週明け月曜日の「免疫学」の授業でついに試運転してみます。さてさて、うまくいくか、楽しみですね〜。


もう1つは、動画です。メディカ出版さんのeラーニング「Candy Link」で、月イチ動画という、特集みたいな動画を収録させていただきました。これがなかなかいい出来で、せっかく動画になったので多くの方に見ていただきたいなあ、と思っていたのですが、これまでは「Candy Link」さんの会員さん限定動画でありました。でも…

なんと、今年もメディカ出版さんのセミナーが決定しまして、そのご案内ページで動画を「講演サンプル」としてご覧いただけるようになりました!せっかくですので是非ご覧ください。
https://www.medica.co.jp/seminar/detail/131

昨年までアンケートで「すごくわかりやすかった!」と、大好評をいただいておりました「急性期・術後の呼吸器ケア」セミナーですけれども、ご要望として「実例があるとよかった」というお声をいただいておりました。そこで今年は、タイトルは同じく、好評であった呼吸生理の基礎みっちり、はそのままながら、一通り学んで最後に、症例を通して、場面場面でのアセスメント、対応を考えていただく時間を設けます!是非多くの方にご参加頂きたいと思います。

神戸会場 2018年05月26日(土) 兵庫県農業会館 11階大ホール
東京会場 2018年06月16日(土) 家の光会館 7階コンベンションホール

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posted by 長尾大志 at 00:27 | Comment(0) | 日記

2018年01月19日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには5

胸部X線写真で、慢性咳嗽を診断する。慢性咳嗽を来す前述の疾患のうち、胸部X線写真で特徴的な、あるいは異常な所見を呈するものには…。

  • COPD

  • 心不全

  • 肺癌

  • 間質性肺炎

  • 副鼻腔気管支症候群

  • 非結核性抗酸菌症

  • 肺結核


などが挙げられるでしょう。これらの疾患で見られる所見をご紹介して参りましょう。


■ COPD

これはガイドラインにも記載されているとおり、肺の過膨張所見です。横隔膜が低位になり、下に押されますから平坦になり、肋横角が鈍になります。また、心臓が下に垂れて滴状心となり心胸郭比が減少します。

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フィルム時代には肺野透過性の亢進、肺野の末梢血管陰影が見えにくくなる、ということもいわれていましたが、液晶時代になってその微妙なニュアンスはわかりにくくなっています。ですから上記の「形」を認識することが肝要です。

昨今側面像を捕られる先生方は少ない印象ですが、側面ですと横隔膜の平坦さがよりよくわかり、胸骨後腔、心臓後腔が拡大していることも一目でわかりますから、診断に寄与しますね。

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posted by 長尾大志 at 17:36 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月18日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには4

末梢気道に閉塞性の病変が存在する病態の代表はCOPDですが、COPD以外にも、末梢気道に閉塞性の病変が存在する、例えば気管支喘息・咳喘息や、喫煙者・高齢者でも、下に凸の曲線となります。

COPDもそうですし、気管支喘息・咳喘息や、喫煙者など、末梢気道病変は長引く咳の原因として重要ですから、それを検査で見つけることは鑑別の役に立ちます。

典型的COPDや気管支喘息では、閉塞性障害の指標である1秒率<70%で診断、で問題ありませんが、初期病変であったり、咳喘息や、喫煙者であったりする場合、必ずしも1秒率の低下を認めません。

1秒率の数値的に異常がなくても、フローボリューム曲線であったり、V25の低下、ということであったりでこれらの病態があることがわかる、ということです。

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逆に、努力不足の場合には、肺活量や1秒率の値が低下しがちですが、それもフローボリューム曲線を見ることで、ちゃんと出来ているかどうかはある程度わかります。

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2018年01月17日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには3

フローボリューム曲線の終わり、つまり呼気の最後の方の流速は、末梢気道の抵抗というか、通りやすさを表します。つまり、下に凸≒呼気週末の流速が低くなっている、という状態は末梢気道に何か閉塞性の病変が存在することを意味するのです。

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そもそもフローボリューム曲線は、思いっきり息を吐いたときの、肺に息がどれだけ残っているか、が横軸、その時の呼気流速が縦軸、で書いたグラフです。ですから曲線の一番左が吐き始めの(肺にいっぱい空気が入っている)流速、一番右が吐き終わりの流速(≒0)です。

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で、残りの肺気量(肺に入っている空気の量)が、いっぱい(100%)の50%のときの流速、これをV50(Vの上に・[ドット]がつき、50は下付き|ブイドットフィフティー、ブイドットごじゅう)と呼びます。

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同様に、残りの肺気量が、いっぱいの25%のときの流速、これをV25(Vの上に・[ドット]がつき、25は下付き|ブイドットトゥエンティーファイブ、ブイドットにじゅうご)と呼ぶのです。

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V50やV25が意味するものは、フローボリューム曲線の下に凸具合です。下に凸ということはV25が下がる、ということです。

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1つの指標として、V50/V25の比が増加(4以上)する、すなわち、より末梢気道病態を反映するV25がV50よりも低下する、ということを末梢気道気流制限の早期診断指標にすることもあります。

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2018年01月16日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには2

翻って、呼吸機能検査で異常が見られない、とは、一般的には…

  • 拘束性障害がない(%VC≧80%)

  • 閉塞性障害がない(1秒率≧70%)

  • 拡散障害がない(%DLco≧80%)

  • 動脈血ガス分析で異常がない


ことを表すでしょう。ただ、値だけを見ていると(努力不足の場合など)騙されることがあります。例えば、フローボリューム曲線を眺めて、下に凸だったら、閉塞性障害の香りがする…。

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2018年01月15日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには1

またも少し寄り道になりますが、ちょっと別のお仕事の関係で、慢性咳嗽を診断するにあたっての、胸部画像検査と呼吸機能検査の使いようを考えてみなくてはなりません。

まず、慢性咳嗽、といいますか、慢性に咳が出る疾患の原因となる疾患、これを列挙してみますと…

  • *咳喘息(アトピー咳嗽)

  • 後鼻漏・副鼻腔炎・副鼻腔気管支症候群

  • COPD

  • 心不全

  • *百日咳・マイコプラズマ感染症(感染後咳嗽)

  • *胃食道逆流症

  • *薬剤・誤嚥

  • 肺癌・間質性肺炎

  • 肺結核・非結核性抗酸菌症

  • *心因性・習慣性咳嗽


あたりでしょう。

このうち、*のついた疾患は、胸部画像上も呼吸機能も異常が見られません。この「異常が見られない」ということを確認するのも重要なことではありますので、まずはそこから考えましょう。

まず胸部X線写真では、異常が見られないとは…

  • 胸郭の左右バランスに偏りがない

  • 横隔膜が適正な位置(右横隔膜で第9〜10肋間と鎖骨中線で交差)にある

  • 肺野の左右を比較しても濃度差がない

  • 正常で見られる線がクッキリハッキリ見られる

  • 毛髪線は儚く、見えるか見えないか

  • 肋横角は鋭

  • 縦隔、肺門リンパ節の腫脹が見られない

  • 気管〜気管分岐部〜左右主気管支あたりが追える


あたりでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:42 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月14日

生きている しくみがわかる 生理学

今日も家庭サービスでしたが、ちょっと本を読む時間がありました。「生きている しくみがわかる 生理学(大橋俊夫・河合佳子著)」これはわかりやすい。血管系とリンパ系の関係について、ご存じの方はもちろんご存じでしょうが、なるほど〜と思うことも多かったのですが、内容からインスパイアされたことをホンの少しだけまとめさせて頂きます。

(引用ここから)
毛細血管の動脈側は血管内圧が高く、壁の隙間から、血漿があふれてくる(濾過)。その血漿に乗って末梢組織の細胞に、栄養が供給される。

細胞はその栄養を消費して代謝水を出し、代謝産物や老廃物もそれに溶けて出てくる。それが血管内圧の低い静脈側の毛細血管に入り(再吸収)、心臓に帰って行く。

で、濾過された水と再吸収される水の差分が毛細リンパ管に入り、リンパ系を帰るリンパ液となる。で、アルブミンは、血管から濾過はされるけれども、分子量が大きすぎて再吸収されない。アルブミンの分布とか浸透圧のことはslow edemaとfast edemaの違いにつながっていきますね。

そのアルブミンは代謝産物や老廃物と結合して、リンパ系に入っていく。つまりアルブミンは、ゴミ掃除の片翼をになっているのか…。リンパ液のアルブミン濃度が高いと、リンパ管内にたくさんリンパ球が放出されるので、免疫力が高まると。

リンパ系は心臓にあたるポンプがないので、重力とか下肢の筋肉とか、呼吸運動とかで流れているから、大変流れが遅い。足先のリンパ液が左静脈角に戻るまで10〜12時間かかるとのこと。対して、血流は一周(?)40秒程度といわれているから、流速に圧倒的な違いがあると。この違いが、リンパ行性転移と血行性転移の違いにつながってくるのか…。
(引用ここまで)

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posted by 長尾大志 at 21:49 | Comment(0) | 日記

2018年01月13日

今日は、○○のコンサート…

…に行ったのは、奥さんと長女。

私と長男、下の子たちはお留守番です。まあ、これも一種の家庭サービスですね。

下の子の相手を1日すると、全くPCに向かう時間が取れませんので、ロクな記事が書けません。今日はこれにて失礼します。

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posted by 長尾大志 at 23:42 | Comment(0) | 子育て日記

2018年01月12日

○○を見たらこの病歴・この検査2・COPD

A COPD(増悪)

病棟でCOPD症例を診るとき、というのは増悪のときがほとんどでしょうから、そもそもその症例がCOPDであるか、というところから確認しておく必要があります。鑑別としては喘息他の閉塞性疾患を考える必要があり、それを年頭に病歴を聴取します。

検査は、肺炎が合併しての増悪も多いので、肺炎とかなり重なりますね…。


病歴

  • 「COPD」の治療(吸入薬など)をされているか

  • 現在投与されている治療薬

  • 増悪はしばしばあるか、どのくらいの頻度で増悪するか

  • 増悪時など、抗菌薬の投与は受けているか、抗菌薬の種類

  • 在宅酸素療法は受けているか

  • CO2貯留、CO2ナルコーシスのepisodeはあるか

  • 徐々に悪化する呼吸困難があるか

  • 喫煙歴はあるか

  • 変動性や可逆性はあるか

  • アトピー素因はあるか



検査

  • 喀痰グラム染色・培養

  • 血液培養

  • 胸部X線写真

  • 一般的な血液検査(血算、生化学)

  • SpO2、動脈血ガス分析

  • 尿中抗原検査

  • 心電図・可能であれば心エコー、BNPなど



呼吸器研修ノート

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posted by 長尾大志 at 17:37 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート